マグミクス | manga * anime * game

『仮面ライダーV3』撮影は一歩間違うと大事故! 子供を喜ばせるのに命を懸けた人々

CGがない時代、決死の撮影

『仮面ライダーV3』 Blu-ray BOX 1(TOEI COMPANY,LTD.(TOE)(D))
『仮面ライダーV3』 Blu-ray BOX 1(TOEI COMPANY,LTD.(TOE)(D))

 主演の宮内洋氏も負けてはいません。21話「生きていたダブルライダー」では、ロープウェイに命綱なしでしがみつくという体当たりの演技をこなしています。劇場版『仮面ライダーV3対デストロン怪人』撮影の際に爆発のなかを飛び越えるシーンでは、背後でとんでもない量の火薬が爆発し、撮影に使っていた島の表面にヒビが入ったそうです。  

 V3と言えば、バイクを走らせながらの手放し変身も見どころですが、後に続いた人がいないことから分かるように、宮内氏の強靭な足腰とバランス感覚がなせる超人技です。子供の頃はただカッコいいと思いながら見ていましたが、わずかなミスが大事故に繋がりかねない危険な行為です。宮内氏をはじめ当時の関係者が、ただ子供を喜ばせるだけのことにどれだけ真剣だったのか、命を懸けていたのかを理解できたのはだいぶ後のことでした。

 43話から登場したライダーマンこと結城丈二との絡みも今見直してみると、実に危険なシーンがあります。風見士郎と結城丈二がバイクを運転しながら口論しているシーンなのですが、もしどちらかが少し運転をミスしたら、ふたりまとめて大事故です。仮面ライダー一号・本郷猛こと、藤岡弘、氏は撮影中に実際に事故を起こし重傷を負っているので当時はこれが当たり前だったのかもしれませんが、危険な行為に変わりはありません。宮内氏と、結城丈二を演じた故・山口暁氏の俳優魂には頭が下がる思いです。

 現代ではCGや撮影技術、機材の発展により危険な撮影を行う必要はほとんどなくなりました。また、『仮面ライダーオーズ』のガタキリバコンボのような派手な演出は、当時の技術ではなしえなかったことでもあるでしょう。それでも今、過去の『仮面ライダー』を見返してみると、役者、監督、スーツアクター、その他多くの人々が、子供たちに真剣に向き合っていたことを容易に感じ取ることができます。昭和、平成、令和、どの時代の『仮面ライダー』も、その点だけは全く変わらずにいてくれているのです。

※参考文献 箸:奥中惇夫『仮面ライダーがエントツの上に立った日』(筑摩書房)

(早川清一朗)

【画像】子供たちの夢のため…命懸けの撮影

画像ギャラリー

1 2