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『ウルトラマン物語』新作不在の危機を救え! 編集+αで紡がれたタロウの新たな物語

当時としては破格の扱いだった超合体怪獣「グランドキング」

「ウルトラマンタロウ Blu-ray Box」(バンダイナムコフィルムワークス) (C)円谷プロ
「ウルトラマンタロウ Blu-ray Box」(バンダイナムコフィルムワークス) (C)円谷プロ

 本作においては既存のキャラクターも、一部は新規で制作されていました。そういった意味では、新規映像の部分の制作に力が入っていたといえるでしょう。例外として、ウルトラマンのスーツはビデオデッキのCM用に作られたものを流用していました。これは、ありものだから使ったというわけではなく、その完成度が当時のマニアでさえ認めたほどの出来栄えだったからです。

 新規にデザインされたものとしては、子供時代のタロウや、友好的な怪獣「ドックン」といったものが味方側として製作されました。さらに今回の敵役として、新規怪獣の「グランドキング」が制作されており、その費用は当時としても破格の300万円だったそうです。

 このグランドキング、一見するとただのロボット怪獣に見えますが、実はウルトラマンたちに敗れた怪獣の合体した姿で、頭部は「ゴモラ」、シッポは「ツインテール」になっていました。とはいえメカ化することで元がわかりづらく、同じ合体怪獣の「タイラント」ほど原型の怪獣がすべて明かされていません。

 ウルトラ6兄弟と戦うシーンでは、その重厚感あふれる姿が描かれています。もっとも本当に着ぐるみが重かったらしく、それゆえに劇中のような戦い方になったとか。なにせ制作方法が「ゴジラ」といった映画用怪獣と同じだったうえ、電飾など照明器具がふんだんに使われていたそうです。

 このボリュームある姿は当時人気商品だったソフビ人形の「ウルトラ怪獣シリーズ」でも再現されました。しかも通常は500円のラインナップだったシリーズにおいて、初の800円で発売されています。しかし、ほかの怪獣と違って販売個数が少なかったことから、コレクターには幻の商品となりました。

 当時の子供たちにとっては「新しいウルトラマン」として、本作は高評価だったと思います。当時、頻繁にTVで再放送されていたウルトラシリーズと共に、オモチャ売り場の怪獣ソフビのセールスに貢献していまいた。

 それゆえに、これに続く映画第3弾も企画されていたそうです。こちらでは「アンドロメロス」との共演も企画されていたという話も聞かれます。その敵である「ジュダ」が、本作の黒幕だったという設定も伏線だったのかもしれません。この企画は動くことなく、ウルトラシリーズの新作は海外との合作作品となるアニメ作品『ウルトラマンUSA』まで待つことになります。

 もっとも、本作がウルトラシリーズをつなげた点は間違いないでしょう。メイン商品だった怪獣ソフビ人形のセールスに貢献したことで、TVシリーズ不在だった時期に果たした役割は大きなものだと思います。

(加々美利治)

【画像】タロウといえば第1話でウルトラの母が…妙な記憶を揺さぶる立体化物をチェックする!(5枚)

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