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FC版『いただきストリート』子供向けに「株で勝つ」楽しさを教えた稀有なゲーム

株で資産を増やすのが『いたスト』固有の醍醐味

『いただきストリートドラゴンクエスト&ファイナルファンタジー30th ANNIVERSARY』(スクウェア・エニックス)
『いただきストリートドラゴンクエスト&ファイナルファンタジー30th ANNIVERSARY』(スクウェア・エニックス)

『いたスト』は、乱暴に言えば『モノポリー』のコンピューターゲーム版ですが、決してそれだけの作品ではありません。『モノポリー』との最大の相違点であり、かつ『いたスト』の醍醐味でもあるのが、「株」の要素です!

『いたスト』では、資産を増やす手段が主に3種類用意されています。自分の物件に止まった相手から「買い物料」をもらうこと。マップを一周して「サラリー」をもらうこと。そして、購入した「株」の価格を上昇させることです。

 自分が購入した物件のエリアの株を大量に買っておき、その物件を増資すると株価が上がり、大きく儲けることができます(現実の株では「インサイダー」といってやっちゃいけない行為)。もちろん、他人のエリアの株を買っておいて、他人の増資で株価を上げることもできます。

 費用・労力をあまりかけず、株のやりくりだけでも資産を増やせるのが『いたスト』のおもしろさであり、単なる『モノポリー』ライクなゲームではないと評されるゆえん……。当時、筆者を含む子供たちは『いたスト』を遊びながら、「ああ、株ってこういうもんなんだ」と、大人の世界をちょっぴり学んでいたわけです。

『いたスト』って、株で勝つと、頭脳戦を制したような充実感があるんですよね。プレイ終了後に、自分のさまざまなデータを成績表として見ることができるんですけど、株儲けの額がトップだと個人的にかなりガッツポーズでした。

 ただ、筆者が新規のプレイヤーを『いたスト』に引き込むときに、株の要素の説明に少し苦労することはありましたね。でも、株をスルーしても『いたスト』はプレイはできますからね。そういった友達のために、最初は「株なしプレイ」ルールで遊んであげて、徐々に株儲けの要素と魅力を理解させる……という布教を筆者はしていました。

2021年は、実は『いたスト』生誕30周年だけど…!?

 総括として、『モノポリー』的なルールをベースに、株をはじめとしたコンピューターらしいさまざまな要素をうまく融合させた、ファミコンボードゲームの大秀作……それが『いただきストリート』という作品であると言えるでしょう。『桃太郎電鉄』も素晴らしいボードゲームですが、筆者は『いたスト』派だったなあ。

『いたスト』は初代作以降、さまざまなプラットフォームから続編が登場し、コンピューターボードゲームとして少しずつグレードアップしていきました。現時点での最新作は、2017年に発売された『いただきストリート ドラゴンクエスト&ファイナルファンタジー 30th ANNIVERSARY』。『ドラクエ』シリーズと『FF』シリーズの30周年を祝うコラボタイトルですが、来年2021年は実は『いたスト』生誕30周年! いいタイミングで久しぶりに新作をプレイしたいなーなんて期待しているのは、筆者だけではありませんよね?

(忍者増田)

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