『ウルトラセブン』と同一個体のメトロン星人が復活? 平成に起きたまさかの展開
『ウルトラセブン』の「メトロン星人」回に、続編があったことをご存じでしょうか? それも手がけたのは実相寺昭雄監督です。
実相寺監督が自ら手がけたメトロン星人回の続編

いまなお人気の高い『ウルトラセブン』には、さまざまな宇宙人が「侵略者」として地球に飛来してきました。そのなかでも弩級の存在感を放っていたのが、第8話「狙われた街」に登場した「メトロン星人」です。
彼は自らが直接手を下すのではなく、当時多くの人が吸っていたタバコに理性を失わせる結晶を仕込むことで、互いの信頼関係を崩壊させる計画を実行しました。この狡猾さとは裏腹に、赤青黄の原色が配されたユーモラスな外見、有名な「ちゃぶ台」シーンもあり、日本の特撮史、あるいはドラマ史においても、重要な「悪役」キャラクターとして認知されています。
その人気は根強く、『ウルトラセブン』以降も何度か(別個体が)再登場を果たしてきました。なかでも、2005年放送の『ウルトラマンマックス』の第24話「狙われない街」に登場したメトロン星人は、色々な意味でファンを驚かせます。
この回でメガホンを取ったのは、『ウルトラセブン』第8話「狙われた街」を担当した、実相寺昭雄監督です。そして、タイトルが示す通り「狙われない街」はその続編で、サブタイトルでは「メトロン星人 再登場」と銘打たれました。
つまり、ここで登場するメトロン星人は、かつて「ウルトラセブン」に「アイスラッガー」で真っぷたつにされた、あのメトロン星人と同一個体ということになります。しかし、あいつは倒されたはずです。いったい、どうやって生き延びたのでしょうか。
そのヒントは、このときのメトロン星人の顔の真ん中にあります。『セブン』の時はなかった、「縫い目」のようなものがあるではありませんか。
そう、あのメトロン星人は一命を取り留めていたのです。少年に助けられたメトロン星人は、円谷プロの「怪獣倉庫」に搬入されると、着ぐるみ職人の手によって縫合されたのでした。このメタフィクション的演出も、『ウルトラマンマックス』全体に漂うお祭りのようなウキウキ感が、違和感なく内包してくれました。
その後、あのメトロン星人は地球人に見切りをつけ、「マックス」と戦うことなく母星へと帰還します。人間態を演じた寺田農さんの、諦念に満ちた表情などは、実に切ないものでした。
メトロン星人に狙われることは恐ろしいですが、狙う価値すらなくなったと判断されるこのストーリーは、平成以降を生きる私たちにとって、重くのしかかります。『ウルトラセブン』のリアルタイム世代で、この続編を未視聴の人がいれば、ぜひとも令和のいま観て欲しいと思います。
(片野)
