甘くなかった『仮面ライダーガヴ』古参ファン熱狂のワケ 隠し味は「昭和ライダー」?
いよいよ夏映画も公開される『仮面ライダーガヴ』。多くのファンから近年の作品としては、もっとも人気が集まっています。その魅力には納得の隠し味とも言うべき理由がありました。
視聴者を引き付ける『ガヴ』の魅力とは

2025年7月現在、テレビ朝日系列で好評放送中の『仮面ライダーガヴ』。本日25日には劇場版『お菓子の家の侵略者』も公開されます。幅広い層に高評価だといわれている『ガヴ』ですが、その人気の秘密はどこにあるのでしょうか。
劇場版は、TV版とは異なる世界が舞台のようで、おなじみのレギュラー陣も劇場版予告編を観ると、いつものTV版とは違った顔を見せていました。そしてライダー夏映画の定番である、次回作の仮面ライダーの先行登場もあるようです。はたして新ヒーロー「仮面ライダーゼッツ」はどんな活躍を見せてくれるのでしょうか。
もちろん最終回に向けて、物語がクライマックスに向かいつつあるTV版にも期待は高まるばかりです。ファンの声を聞いてみると、最近の「仮面ライダー」シリーズでもっとも好きであるという人も少なくありません。かくいう筆者もそのひとりです。『ガヴ』という作品の何がファンを引き付けるのでしょうか。
あくまでも筆者の感じた魅力から、人気の秘密を考察していきましょう。
放送前の『ガヴ』の印象は、お菓子をモチーフにしたポップなデザインから、いままで以上に低年齢層に向けた作品だと考えた人も少なくありませんでした。かくいう筆者も同じです。しかし、いざ放送を観てみると、その第一印象は間違いだったことに気づきました。考えていた以上にシリアスな展開が待っていたからです。
人間と怪人のあいだに生まれた主人公「ショウマ/仮面ライダーガヴ」が、人々に「バケモノ」と呼ばれながらも、同族である「グラニュート」の悪事に対して敢然と立ち向かい、孤独の旅路を続ける物語でした。
この放浪の旅が終わりを告げるのが第5話のラストで、何でも屋「はぴぱれ」を経営する「甘根幸果(あまねさちか)」のもとで住み込みアルバイトをすることになってからです。その後、フリーライターの「辛木田絆斗(からきだはんと)」(後に「仮面ライダーヴァレン」へ変身)と出会い、物語は新たな段階へと進みました。
このように、序盤は孤独ながらも強く生き抜く姿を描く、ロードムービーのような展開です。そこにライダーのポップで派手な色使いや、「ゴチゾウ」という親しみやすいキャラが配置されていることにより、さほど重く暗い印象にはなっていません。
そう考えていくと、敵の目的となっている「闇菓子」という存在や、敵組織に使われている「バイト」のグラニュートたちなど、オブラートに包んで子供には直接的にわからないよう配慮しているものの、これらは現代の社会問題を比喩した部分であり、大人から見たらかなり攻めた内容だといえるでしょう。
画面上では極力見せないよう配慮していますが、闇菓子の製造には人の命が必要であり、それが一定数作られているということは画面外で少なからず犠牲者がいることを示しています。
このように本作は、子供向けとしてソフトな画面作りで制作されながらも、ハードな部分を秘めた内容となっていました。そこに惹かれるファンが多いわけです。そして、作品に込められたものはほかにもありました。

