マグミクス | manga * anime * game

初めて買ってもらったファミコンソフト『ナッツ&ミルク』 女の子と話すきっかけに!

1984年7月20日、ハドソンからファミコン用ソフト『ナッツ&ミルク』が発売されました。同日に発売された『ロードランナー』と共にサードパーティ製ソフトとしての第一陣を飾ったタイトルです。

初めて買ってもらったファミコンカセット

『ナッツ&ミルク』(ハドソン)
『ナッツ&ミルク』(ハドソン)

 1984年7月20日は、ハドソンからファミコン用ソフト『ナッツ&ミルク』が発売された日です。同日に発売された『ロードランナー』と共にサードパーティ製ソフトとしての第一陣を飾ったタイトルで、かわいらしいキャラクターとシンプルなゲーム性で子供たちの間である程度の人気を得ました。最初に買ってもらったファミコンのカセットが『ナッツ&ミルク』だったライターの早川清一朗さんが当時を回想します。

* * *

 1984年、ファミコン本体は品薄でなかなか手に入らない状況が続いていました。どうしてもファミコンが欲しかった筆者は毎日のように新聞の折り込みチラシをチェックし、どうにか入荷予告を出しているお店を見つけ、母親に頼み込んで一緒に買いに行ったのです。

 ファミコンが入荷される日の朝、倉庫を改造したような外見をしていたディスカウントストアは、開店を待つ子供たちと保護者が行列を作っていました。その場にいる子供たちのおそらく全員が開店を今か今かと待ち望み、開店と同時に店員に促され、列の先頭から店のなかに次々と吸い込まれていったのです。
 
「自分の分が残っていますように」そう祈りながら店に入った筆者でしたが、このときは十分な入荷があったようで、無事に買えたときはほっとするのと同時に、強烈なうれしさがこみ上げてきました。あの、体の奥で何かが爆発するような喜びは、人生のなかでも最高のもののひとつだったことは、間違いありません。

 しかしここで話は終わりません。そう、カセット選びが残っていたのです。筆者がファミコンを買ってもらったのは1984年の夏から秋にかけての時期なのですが、このころはまだ、カセットの種類は20個程度でした。現代の水準からすれば「少ない」と思う方もいるかもしれませんが、ゲームの内容を知る手段が実際にプレイする以外にない時代だったので、何を選べばいいのか分からなかったのです。

1 2 3