「金ロー」40周年特番で感じた、ジブリ作品「ネット配信」の必要性 やがて知名度低下の恐れも?
『火垂るの墓』の配信開始は突破口となるのか

一方、日本でジブリ作品を視聴するには、TV録画かDVDやブルーレイを入手するのが主流ですが、光ディスクプレーヤーやレコーダーの普及率は、内閣府の消費動向調査によれば2013年の77.7%を頂点に微減を続けており、2023年には71.6%に低下しています。ネット配信が主力となった現在ではこの数字が再び右肩上がりとなることは二度とないでしょう。再生機材を持っていない家庭も増えています。つまり、現在日本国内ではジブリ作品を見るのが徐々に難しくなっているのです。
配信に慣れた人間にとって、不便な光ディスクの世界に戻るメリットはありません。よほどの思い入れがあれば別でしょうが、ジブリ作品を見るために再生機材と光ディスクを揃える人と、「配信が無いなら別に見なくてもいいや」と考える人であれば、後者の方が多いでしょう。特に、まだジブリ作品に思い入れがない層にまで広げていく場合に、配信が利用できないのは致命的です。
ただでさえアニメは作品数が多いため、いつでも好きな時に見ることができず、視聴にハードルがあるジブリ作品は、新しい層に知られる機会が少なくなっています。この状況に対して手を打たないと、知名度は徐々に低下していくでしょう。20年後、海外のジブリファンが日本人にジブリ作品のことを尋ねても、作品名すら答えられない人が出てくるという状況も、現実味を帯びてきます。
現状、日本で配信視聴が可能な唯一のジブリ作品『火垂るの墓』は、2024年に海外(中国を除く)で配信が開始され、多くの反響を呼びました。2025年に日本でも配信が始まっています。『火垂るの墓』は原作を出版した新潮社が権利を保有しているため配信が可能になったという事情はありますが、日本国内でジブリ作品の火を絶やさないためには、ネット配信の検討は避けて通れないでしょう。
(早川清一朗)



