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『ゴジュウジャー』で幕を閉じる? スーパー戦隊が仕掛けた最後の革命的「商品戦略」

「スーパー戦隊」シリーズ終了の背景に「関連商品の売上低迷」をあげる報道もありますが、もちろん無策だったわけではありません。スーパー戦隊の主力商品である「巨大ロボ」は、令和になってからも常識にとらわれない商品展開が進められていました。

「前作ロボ」と合体可能に? 常識を覆した「戦隊玩具」

『機界戦隊ゼンカイジャー』のゼンカイジュランと、『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』のエンヤライドンが合体する玩具「DXドンゼンカイオー」(バンダイ)
『機界戦隊ゼンカイジャー』のゼンカイジュランと、『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』のエンヤライドンが合体する玩具「DXドンゼンカイオー」(バンダイ)

 今年で50周年を迎えた「スーパー戦隊」シリーズが、放送中の『ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー』を最後に終了するとの報道がなされ、大きな波紋が広がっています。背景に「関連商品の売上低迷」を挙げる声もありますが、戦隊の商品展開は、令和の時代に至るまで「時代に合わせた変化」も繰り返してきました。その点に注目すると、意外なことが見えてきました。

 今回は、戦隊シリーズの主力商品となる「巨大ロボ」に注目しましょう。この点は近年で特に変化が大きいポイントかもしれません。

「戦隊シリーズ45作記念作品」という前回のメモリアル作品だった『機界戦隊ゼンカイジャー』(2021年)では、メンバー編成から斬新な設定が加えられました。リーダーが「赤」でない、それ以外の4人のメンバーが素顔の役者でない機械生命体という点です。

 この機械生命体の4人が巨大化し、巨大ロボの半身になるというのが『ゼンカイジャー』の巨大ロボの新しい点でした。戦隊のメンバーが、そのまま巨大ロボの一部として遊べ、所持することで両面でのプレイバリューを得ようというわけです。

 これを受け継いだのが翌年の『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』(2022年)でした。作品で最初に登場する「ドンゼンカイオー」は、前作『ゼンカイジャー』第42話で先行登場しています。

 このドンゼンカイオーはバイク型メカ「エンヤライドン」と、前作に登場した「ジュランティラノ」が合体した姿で、合体ジョイントを共通としたものでした。これには1年ごとに変わる作品に合わせてオモチャも変わってしまうという「常識」に対する挑戦の意味もあったそうです。同様の理由で、前作でも使用した「ギア」を本作でもメインアイテムにしていました。

 しかし、このドンゼンカイオーは公式では『ゼンカイジャー』の合体ロボに区分されるそうで、正式な『ドンブラザーズ』の1号ロボは第12話で合体した「ドンオニタイジン」だそうです。

 このドンオニタイジンは、前作の巨大ロボと同じく戦隊メンバーが巨大化して合体するロボでした。しかし大きく違うのは「元の顔が残る」「それぞれが話せる」という点で、より等身大メンバーとの共通項を残したものとなっています。

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