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FC『ドルアーガの塔』あまりの難易度に唖然…“情報の有無”が全てだったゲーム

1985年8月6日、ナムコ(現:バンダイナムコエンターテインメント)からファミコン用ソフト『ドルアーガの塔』が発売されました。あまりに難易度が高く、攻略本がなければ当時の子供たちにはとてもクリアできないゲームでした。

初めて遭遇した攻略本必須のゲーム

『ドルアーガの塔』(ナムコ)
『ドルアーガの塔』(ナムコ)

 1985年8月6日は、ナムコ(現:バンダイナムコエンターテインメント)からファミコン用ソフト『ドルアーガの塔』が発売された日です。アーケード版からの移植作となった本作は、階層ごとに異なる条件で出現する宝箱から有効なアイテムを集めながら、全60階を登り切る途方もない難易度で、当時の子供たちを唖然とさせました。最初のプレイは3階クリアの時点で投げ出し、後に攻略本を見ながらクリアした経験を持つ、ライターの早川清一朗さんが当時を回想します。

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 1985年のファミコンカセットと言えば、まだ『ドラゴンクエスト』に代表されるRPGが発売される前の時期にあたり、シューティングゲームやアクションゲームが中心のラインナップとなっていました。なかでもナムコが発売した『ゼビウス』は特に人気があるタイトルで、筆者や友人たちは、自機ソルバルウが出撃するシーンのBGMをよく合唱していたことを覚えています。

 ナムコは他にも『ギャラクシアン』や『パックマン』『マッピー』『ディグダグ』など1980年代半ばを代表する名作をファミコンで次々と発売しており、子供たちのなかでは「ナムコのゲームは面白い」という評価が定着していました。

 そんななか、ナムコが新しいゲームを発売するという情報が「コロコロコミック」に掲載されました。新作のタイトルは『ドルアーガの塔』。どんなゲームなのかはよく分かりませんでしたが、ナムコなんだから面白いだろう。当時の筆者はそのように考えていたような覚えがあります。

 しかしそれは、無邪気な小学生の思い込みに過ぎませんでした。いや、正確に言えばものすごく面白いゲームだったのですが、ろくに情報を手に入れる手段さえ持たない小学生には、まだ早すぎたのです。

 筆者は『ドルアーガの塔』を買ってもらえなかったため、いつも遊びに行っていた友だちの家での初プレイとなりました。グリーンスライムを3匹倒してカッパーマトックを出す。ブラックスライムを2匹倒してジェットブーツを出す。ブルーナイトを倒してポーション・オブ・ヒーリングを出す。このあたりまではモンスターを適当に倒すだけなので簡単だと感じていたのを覚えています。

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