令和時代に「裏番組問題」が再浮上? 「配信で解決」できぬ問題、対策はあるのか
朝も深夜も競合? アニメの時間帯を分散できないのか
最近話題になった「裏番組の激突」といえば、日曜9:30枠のフジテレビ『鬼滅の刃』再放送と、テレビ朝日の『超宇宙刑事ギャバン インフィニティ(以下、インフィニティ)』が挙げられるでしょう。『鬼滅の刃』はすでに圧倒的な人気を獲得している作品ですが、2019年の初回放送からは時間が経っており、その間に生まれた子供には浸透していない可能性があります。今後上映される劇場版により多くの人を集めるために「ニチアサ」の時間帯に再放送を行うのは、高度な戦略と言えるでしょう。
東映が力を入れる特撮新シリーズの『インフィニティ』としてはあまりにも理不尽な強敵ではありますが、「戦隊」シリーズの後継として生まれた作品として、特撮の歴史を活用した見事な戦いぶりを見せています。ありとあらゆる知見と熱量を叩き込み、歴史に名を残してほしいものです。
もうひとつ起こっている裏番組激突は、この4月から土曜日の23:30に放送されている『あかね噺』と『黄泉のツガイ』でしょう。土曜日の24時前はまだ起きている人や夜更かししている人も多く、リアルタイム視聴勢によるSNSへの書き込みが非常に多い、現代の日本で最高クラスのアニメ放送枠です。
両作品とも原作が「今期の目玉」とも言っていいほど高い人気を誇り、アニメ放送時にはしばしば話題となっています。
しかし、クオリティーの高い作品が同じ時間に放送されれば、どうしても話題が分散されてしまうことになります。「あとで配信で見ればいい」とはいえ、リアルタイムで同じアニメを見た人間同士の語り合いは「楽しい体験」となり、アニメ視聴の大きな原動力となるものです。できれば同じ時間にぶつかりたくないのは、放送している側も感じているでしょう。
もし打開策があるとすれば、アニメの放送枠を「縦」の時間軸で拡大することでしょう。現状では23時以降が主な放送枠となっていますが、その前の時間帯である19時から23時の間、いわゆる「プライムタイム」に放送枠を作るのです。
過去には『ラブひな』が22時半の枠、『キューティハニー』が20時半の枠で放送されるなど、前例はあります。すでに考慮しているTV局もあるかと思いますが、制作・放送されているTVアニメの数は圧倒的な規模になりつつあり、放送枠の調整や拡大を検討すべき時期にきているのではないでしょうか。
(早川清一朗)




