【シャーマンキング30周年への情熱(46)】「天井」を知った大人がさらに成長するには…?
2021年4月から放送中のTVアニメ『シャーマンキング』第27話では、麻倉幹久が蓮たちに託した思いが語られ、ハオ一派との睨み合いが起きるなど多くの見どころがありました。なかでも蓮を襲った出来事は衝撃的でした。
自分の限界が見えている麻倉幹久が蓮たちに求めたもの
2021年10月14日(木)放送のTVアニメ『シャーマンキング』第27話は、衝撃的なラストで次回に続くことになりました。道蓮(タオ・レン)が死んだ(かもしれない)という展開が描かれたのですが、他にも見どころは多く、毎週アニメ放送から目が離せない状態が続いています。改めて内容を振り返ってみましょう。
まず、葉の父・麻倉幹久ぐらいの年齢になると嫌でも感じてしまう「天井」という限界について。これは筆者にとっても身につまされる話であり、年を重ねるごとに心に刺さってきます。原作が描かれたのは今から約20年前……その頃、武井先生はまだまだ若く、来るべき未来を想像して描いていたと思いますが、今ではそれを痛感する年齢になっています。
しかし、もしも同じように感じている視聴者・読者がいるとしたら、悪い話だととらえるのは性急だと思います。「天井」に悩まされるのは、まだまだ自分にやりたい事や守りたいものがあるという積極性を失っていない証拠だと思うからです。
しかし、昔のように力押しではそれらを叶えられません。「天井」という限界を悲観し悔しんで文句を言いながら過ごすか、別の方法で叶えようとするか……そこに「天井」を知った人がさらに成長できるかどうかの分岐点があると思うのです。
幹久は後者でした。だから後進を育てようとしたわけですね。やり方はかなり乱暴だと思いますが、そこは先週放送の26話で葉が語っていたように、幹久の頭の硬さと責任感の強さゆえということでしょう。私たちもあきらめずに、叶える方法を模索し続けたいものです。
次は、ついに登場したルドセブとセイラーム。この兄妹はいわくつきの素性を持つと同時にキーパーソンでもあり、幹久と組んでシャーマンファイトに参戦しています。後進の育成という話があったばかりなので、そういう繋がりなのかと思いきや、それだけでは済まない意味が込められています。
それを示すように、ふたりを差し置いて女性陣同士の戦いが勃発しようとしており、その口火をアンナが切ろうとしていることからも、ただ事ではないことがうかがえます。彼女たちの勝負の行方、そして兄妹の重要性がどういうものか、これから先の展開に注目しましょう!