「鈴木敏夫とジブリ展」東京で開催中 名作誕生の秘密を知り、子供と一緒に楽しめる空間
少年時代の部屋を模した展示も

続いて報道陣に公開されたのが、B&C HALLに設営された、鈴木氏が影響を受けた書籍などが展示されているコーナーです。現在では極めて貴重な当時のマンガ雑誌や単行本が並べられているだけではなく、鈴木氏が幼少時を過ごし、買ってもらったマンガ本などをため込んでいた4畳半の部屋が再現されており、非常に見ごたえがあります。
少年時代に夢中になった映画の展示コーナーには、鈴木氏が中学生のときに魅了された映画『ポリアンナ』などを代表役に持つ子役スター、ヘイリー・ミルズの展示が行われています。こちらのコーナーでは鈴木氏が当時英語でファンレターを送ったけれど返事は無かったこと、後にディズニーの担当者に話したところ、40年越しに直筆メッセージが届いたという驚愕のエピソードがテキストで明かされており、メッセージの現物も展示されています。
その後、慶応義塾大学に合格した鈴木氏は上京し、激動の大学生活を経て卒業後には徳間書店に入社。雑誌記者・編集者として手塚治虫や石ノ森章太郎、ジョージ秋山といった名だたる漫画家と親しく付き合うようになります。
1978年に現存するアニメ雑誌のなかで最古参となる「アニメージュ」の創刊にも携わった鈴木氏は、映画『風の谷のナウシカ』制作を期にプロデューサー業に進出します。年代ごとに事細かく書かれた鈴木氏の歩んだ道のりは新しいものを生み出すエネルギーに満ちあふれており、1970年代から80年代にかけて時代を覆っていた熱気を感じ取ることができます。他にも『となりのトトロ』や『もののけ姫』などスタジオジブリに関連する展示も豊富で、ファンならば必見の価値があると言えるでしょう。
数多くの展示のなかでも圧倒されるのが、鈴木氏の本棚です。鈴木氏がこれまでに読んだ8800冊の書籍やマンガがずらりと並べられており、鈴木敏夫というプロデューサーはどのようにして作られたのか、知性と創造力の秘密はなんなのか、その一端を垣間見ることができます。
全展示を見終えるとたどりつくE HALLには映画『千と千尋の神隠し』に登場する湯屋「油屋」をモチーフとした大型空間<油屋別館>が設営されています。ここでは数々のグッズやAR体験コーナーが用意されていますが、なかでも大迫力なのが巨大な湯婆婆・銭婆のおみくじです。人間の大きさをはるかに超える大きさの湯婆婆たちの姿は、一度見たらなかなか忘れられないでしょう。夏休み、お子さんを連れていけば、きっと大喜びしてくれるのではないでしょうか。
(C)TS (C)Studio Ghibli
※宮崎駿監督の「崎」は正しくは異体字ですが機種依存文字のため、やむを得ず「崎」に置き換えて表示しています。
※「鈴木敏夫とジブリ展」は、2022年9月7日(水)まで、東京・天王洲「寺田倉庫」B&C HALL/E HALLで開催中。開催時間は10:00~20:00(最終入場19:30)、チケットは1時間ごとの日時入場制。ローチケ、日テレゼロチケで購入できます。
●鈴木敏夫 プロフィール
1948年、名古屋生まれ。慶應義塾大学文学部卒業後、徳間書店入社。「アニメージュ」の創刊に参加し、副編集長、編集長を務めるかたわら、高畑勲・宮崎駿作品の製作に関わる。1985年にスタジオジブリの設立に参加、1989年からスタジオジブリ専従。以後ジブリのほぼすべての劇場作品をプロデュースする。現在、スタジオジブリ代表取締役プロデューサー。
(早川清一朗)








