『レインボーマン』放送50周年 「死ね死ね団」のテロ活動は現代にも通じるリアルさ
現代にも起こりうるテロを行う悪の組織「死ね死ね団」
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「死ね死ね団」。このふざけた名前の組織が本作の敵役です。この名前には大きな意味がありました。あまりにもバカげた名前にすれば本当にあると思わない。……そう作中設定ではなっています。妙にリアルな設定が多く、当時の悪の組織でもっとも現実的な作戦を実行したのが、この死ね死ね団でした。
死ね死ね団の目的は日本国の崩壊、および日本人の抹殺です。それは旧日本軍が起こした戦争の犠牲になった人間たちによって結成された組織だったからでした。このリアリティのある設定で、悪の組織が日本しか襲わないことを理論づけています。
その作戦も薬物により日本人の精神をおかしくする、大量のニセ札をバラまきインフレを起こす、外国人要人を暗殺して日本を危険な国だと世界に風潮する……など、どれも現実にテロとしてありそうなものばかりでした。
この死ね死ね団のボスがミスターK、演じているのは特撮作品での出演が多いことで知られる平田昭彦さん。冷静沈着に恐ろしい作戦を実行する面と、思い通りにならないとヒステリックになるという役どころを巧みに演じていました。
死ね死ね団の特徴的なところが、怪人のような存在がいないことです。基本的にボスのミスターK以下は側近である女性幹部、その下には戦闘員にあたる覆面姿の男たちがいるだけでした。
第2クールで7人の殺人プロフェッショナルという怪人的存在が現れますが、必ずしも全身着ぐるみというわけではありません。しかし、そのチープに見える作りが逆に不気味さを引き立て、レインボーマンを苦しめる強敵というイメージを与えました。
そして、死ね死ね団で思い出す人が多いのが挿入歌である「死ね死ね団のテーマ」でしょうか。「死ね」というフレーズが延々と続くこの歌は、おぼえやすい曲調ということもあってか、当時からよく子供にも歌われていました。昨今では本作の中身は知らなくても、この歌は知っているという人が多いと聞いたことがあります。
現代では、この死ね死ね団という存在が現在の倫理規定にそぐわないので、本作のTV放送は不可能という意見を聞きました。確かに過激なまでの作品内容に、眉をひそめる方もいることでしょう。しかし、川内先生がこの作品に込めた思いは、現代の方が必要なのではないでしょうか?
現代の日本を取り巻く環境を考えた時、川内先生の考えた死ね死ね団の恐ろしさを身近に感じることがあります。もちろん死ね死ね団が実在するという意味ではなく、そのリアリティゆえに似たようなことがあっても不思議ではない。……それほどまでに近年は犯罪やテロの不安が身近ということです。
川内先生は未来の日本を予言したかもしれない。……そう思えるほど、子供の頃に見た『レインボーマン』は、現代ではよりリアリティあふれる作品だと感じてしまいます。
(加々美利治)





