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平成『ガメラ』第1作がBS12で放映 特撮新時代を呼んだ、精鋭スタッフらの熱量

「自分たちが観たかった怪獣映画をつくろう」

『ガメラ 大怪獣空中決戦』で、ガメラと怪鳥ギャオスが東京タワーを前に戦うシーン (C)KADOKAWA 日本テレビ 博報堂DYメディアパートナーズ/1995
『ガメラ 大怪獣空中決戦』で、ガメラと怪鳥ギャオスが東京タワーを前に戦うシーン (C)KADOKAWA 日本テレビ 博報堂DYメディアパートナーズ/1995

 超古代文明が「生物兵器」として生み出したギャオスが現代に蘇り、ギャオスに対抗する力を持つガメラも同時に復活するという設定です。これなら亀の怪獣ガメラが火を吹きながら、空を飛ぶことも納得できるのではないでしょうか。SF的リアリティに加え、特撮シーンも迫力あるものとなっています。

 クライマックスとなるガメラとギャオスの東京での対決シーンは、精巧なミニチュアワークが見ものです。ギャオスは東京タワーに巨大な巣を作るのですが、ガメラが吐き出した火球を浴びて、東京タワーは炎上。巣からギャオスの卵が落ちてくるなど、細かいシーンに特撮スタッフの並々ならぬこだわりが感じられます。

 今では当たり前のように思えますが、怪獣同士のバトルシーンが地上にいる人間の視点から描かれている点が、当時はとても新鮮に感じられました。怪獣たちの巨大さが臨場感たっぷりに伝わってきます。

「自分たちが観たかった怪獣映画をつくろう」。怪獣映画を愛する金子監督や樋口特技監督らの熱気が、他のスタッフやキャストにも伝わり、クオリティの高い作品に仕上がっています。制作予算がわずか5億円だったとは信じられません。

 大の大人たちが、子供の頃に夢中になった「怪獣映画」にありったけの情熱を注ぎ込んだ爽快感が作品全体からほとばしっています。徹夜作業が続くと「ブラック職場」と言われてしまう現代では、こうした作品は生まれにくくなっているのかもしれません。

エンタメ界に新時代の到来を告げた「瑞獣」

 公開された『ガメラ 大怪獣空中決戦』は、興収的には大ヒットに至りませんでした。しかし内容は高く評価され、数々の映画賞を受賞します。さらにシリーズ第2作『ガメラ2 レギオン襲来』(1996年)、第3作『ガメラ3 邪神〈イリス〉覚醒』(1999年)と続き、平成ガメラ三部作としてファンから愛されています。『ガメラ2』は2月19日(日)、『ガメラ3』は3月5日(日)にBS12で放映されるので、ぜひチェックしてください。

 樋口特技監督は大ヒット作『シン・ゴジラ』にも参加し、『シン・ウルトラマン』を監督することになります。平成ガメラでの体験が、『シン・ゴジラ』や『シン・ウルトラマン』に生かされています。

 金子監督は『ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃』(2001年)を撮った後、藤原竜也さんと松山ケンイチさんが共演した実写映画『デスノート』二部作(2006年)で大きな話題を呼び、人気マンガの実写化ブームを招きます。

 平成ガメラの企画にGOサインを出した大映の徳間康快社長は、『ガメラ2』に内閣官房長官役で出演しています。また、劇場アニメ『もののけ姫』(1997年)、『千と千尋の神隠し』(2001年)の製作総指揮も務め、日本映画の興収記録を塗り替えることになります。

 平成ガメラは、日本のエンタメ界に新時代の到来を告げる「瑞獣(ずいじゅう)」だったのかもしれません。Netflixで配信されることが発表されている令和版ガメラは、はたしてどんな時代を招くのでしょうか。

(長野辰次)

【画像】ほとばしるガメラの火炎! 特撮愛あふれる東京タワーのバトルシーン(9枚)

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