「TVゲーム」と「ビデオゲーム」、呼び方はどっちが正しい? 知っておきたい意味の違い
「TVゲーム」という呼称は一般的によく使われていますが、長きにわたって「ビデオゲーム」とも呼ばれてきました。この両者にどんな違いがあるのでしょうか。
いま遊んでるゲームは、TVゲーム? ビデオゲーム?

個々の作品ではなく全体をまとめて呼びたい時、その呼称に悩む場合はありませんか? 例えば、いまやほとんどの日本人が日常的に「スマホ」を使っていますが、スマホゲームの呼び方も作りや形態によって呼び名が分かれます。
例えば、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を介して遊ぶゲームは「ソーシャルゲーム」、本編自体は無料でアイテム販売などの課金要素のあるものは「基本無料ゲーム」や「課金型ゲーム」、リアルマネーを払って購入するゲームを「買い切り型」など、ざっと振り返るだけでもさまざまなカテゴリーと呼び方に分けられます。
しかも、「基本無料のソーシャルゲーム」、「買い切り型だけどアイテム販売もある」といった具合に複数の要素を併せ持つことも多く、いま遊んでいるゲームはどのカテゴリーに入るのか、適切な表現がパッと思いつかない場合も少なくありません。
では、スマホ以外のゲームはどんな呼ばれ方をしているのでしょうか。家庭用向けゲームに絞ってみると、カテゴライズとして良く目にするのは「TVゲーム」という呼び方でしょう。大手通販サイトのAmazonも、検索内のカテゴリーで「TVゲーム」と表記しています。
一方で、「ビデオゲーム」という呼び方も長く使われており、一部のゲームファンの間でも定着しています。「TVゲーム」と「ビデオゲーム」のどちらがより正しいのか、もしくは使い分けが異なるのか。このふたつの呼び方について、紐解いていきます。
●1980年代に広まった「TVゲーム」
「TVゲーム」という呼び方は、その字面からも分かる通り、TVにつないで遊ぶゲームを指す言葉として生まれました。こうしたゲームは1970年代にもありましたが、1980年代に登場した「カセットビジョン」や「ファミリーコンピュータ」あたりから、一般的に広まっていきます。
当時の家庭用向けゲームは、「ゲーム&ウオッチ」のような携帯機を除けば、TVにつなぐものが主流でした。そのため、カセットビジョンやファミコン、PCエンジン、メガドライブなどを総称して、「TVゲーム」と呼ぶようになります。
「TVゲーム」と呼ばず、単に「ゲーム」と呼ぶ人も少なくありませんでしたが、区別をつける必要性もありました。当時のゲームは家庭用向けだけでなく、ゲームセンターや一部の施設(ボーリング場やデパート、駄菓子屋等)に置かれている「アーケードゲーム」も強い存在感を放っていたからです。
娯楽としての広がりは「アーケードゲーム」のほうが古く、ファミコンやカセットビジョンよりも前から活躍していました。一大ブームを巻き起こした『スペースインベーダー』ですら、そのデビューは1978年なので、カセットビジョンよりもさらに昔です。
文脈や使い方次第で意味は通じるものの、「ゲーム」という単語だけでは、「TVゲーム」なのか「アーケードゲーム」なのか、分かりづらいこともあります。また、古くは「ゲーム&ウオッチ」など、1989年以降は「ゲームボーイ」や「ゲームギア」といった「携帯ゲーム」もありました。混同を避ける意味でも「TVゲーム」という呼び方が多用され、今日に至るまで長く使われ続けています。
●「ゲーム」のカテゴリーは、すでに当時から多種多彩
「アーケードゲーム」や「携帯ゲーム」との区別する必要もあり、「TVゲーム」という呼び方が広まりました。このほかにも「ゲーム」に属する存在がもうひとつありました。それは、「PCゲーム」です。
当時のパソコンは、「マイコン」という呼び方が主流でした。こちらも歴史を辿(たど)るとかなりさかのぼれますが、一般的に知られるようになったのは、1979年に発売された「PC-8001」あたりからでしょう。
「PC-8001」の価格は16万8千円で、当時の物価を踏まえて考えると高額ですが、この時のマイコン事情としてはかなりリーズナブルでした。その価格設定がヒットの一因となり、日本におけるマイコン市場の広がりへとつながります。
とはいえ、ファミコンなどの「TVゲーム」や、ゲーセンで「アーケードゲーム」を楽しんでいた小・中学生や高校生にとって、16万8千円は途方もない金額です。呼ぶうえでカテゴリーを分ける必要性こそあったものの、日常的に触れていた人は限られており、「憧れを寄せる高嶺の花」的な存在でした。



