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愛すべきクソゲー『燃えろ!!プロ野球』 バグ続出も売れすぎてしまった伝説のソフト

猛威を振るった「ホーナー」

子供たちが野球に触れる機会も減ってしまった(画像:写真AC)
子供たちが野球に触れる機会も減ってしまった(画像:写真AC)

 そうして発売を迎えた『燃えプロ』ですが、子供だった筆者はお金がないので買えず、友達の家でやらせてもらうことになりました。

 その感想はひと言で表せば「なにこれ」でした。

 ピッチャーが投げ込むボールに狙ってバットを合わせるのがとにかく難しかったのです。「こんなの、どうすればいいの?」と考えていると、友達が「こうすればいいんだよ」と、あるバッターにバントの構えをさせたのです。どうせ打てないだろうと思いボールを投げ込むと、友達はスッとバットをスライドさせ、ボールに当てにいったのです。

 次の瞬間、ボールは矢のように飛びスタンドに放り込まれていました。

『燃えプロ』は一部の強打者はバントするだけでホームランになる強烈なバグが存在しており、これは「バントホームラン」と呼ばれ後々までネタにされ続けています。

 特にヤクルトに所属していたホーナーは強烈で、全打席バントホームランはごく当たり前の出来事でした。はっきり言ってクソゲー。これが当時の子供たちが出した結論だったと思います。他にもファールの後はどんなボールでもストライクの判定となるバグの存在や、やたらと広い外野など、細かい調整が行われていないことは明らかでした。

 そして何よりも恐ろしいのが、当時のファミコン人気の過熱ぶりもあって、実に158万本もの売り上げを叩き出してしまっていたのです。

 当然のように恐ろしいまでの値崩れが起こります。みるみるうちに値段は下がり続けました。筆者の記憶では、中古で180円というのが最安値だったように思います。おそらく、もっと安値で買ったという方もいるのではないでしょうか。

 ジャレコにも大量のクレームが届いたため、データの修正を行うことになりましたが、今のように配信でポンとアップデートできるわけではありません。カセットを回収し、バラし、中のROMを入れ替える地獄のような作業が行われ、ケガ人も続出したそうです。

 その後、筆者がファミコンの『燃えプロ』を顧みることはありませんでしたが、中学生の頃、近所のビデオ店の前に、アーケード用に発売された『燃えろ!!プロ野球 ホームラン競争』が置かれていたので、たまにプレイしていました。最近知ったのですがこのアーケード用は全部で150台ほどしか作られなかったレア品だったそうです。今でもたまにこの『ホームラン競争』だけはなぜかやりたくなることがあり、少し不思議な気がしています。

(ライター 早川清一朗)

【画像】現代の「野球ゲーム」は?

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