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新作映画『アギト』が好調のワケ タイトルから「仮面ライダー」が消えた「重要な意味」とは

タイトルから「仮面ライダー」が取り除かれた意味

物語終盤、窮地の氷川誠たちのもとに駆けつけ、仮面ライダーアギトに変身しようとする「津上翔一」 (C)2026「劇場版アギト」製作委員会 (C)石森プロ・東映
物語終盤、窮地の氷川誠たちのもとに駆けつけ、仮面ライダーアギトに変身しようとする「津上翔一」 (C)2026「劇場版アギト」製作委員会 (C)石森プロ・東映

 公開前から、タイトルから「仮面ライダー」をはずしたことが話題になっていました。ファンの間ではさまざまな憶測が流れました。「PG12」指定だったことから「大人向け」と感じた人も少なくなかったようです。しかし、これまでの大人向けの続編は、あまり良い評価は得られていません。ここに不安を感じた人もいました。

 しかし本編を観ると、タイトルの「アギト」とは仮面ライダーの名前を指す意味でなく、劇中の「進化した人類」を指していたことがわかります。何人も登場した敵怪人に当たる「ギル・アギト」と、同じように力に目覚めながらも氷川らに味方する者たちとの戦い。『アギト-超能力戦争-』というタイトルそのままの意味を、本編でしっかりと回収したわけです。

 また、前作主人公「津上翔一」が「仮面ライダーアギト」への変身能力を失っていたことも事前に発表され、仮面ライダーアギトのいない世界という点も暗示していました。同時に津上から氷川への主役交代をスムーズにします。そういう点では、計算されたタイトルだったことがわかるでしょう。

 もっとも、終盤では津上が、アギトに変身するというサプライズもありました。ここで力を取り戻し切っていないアギトに代わって、氷川の「仮面ライダーG7」がフィニッシュするという流れになるのですから、構成としては鮮やかな流れといっていいでしょう。

 ラストシーンの和やかな展開も『アギト』らしく、前述したように久しぶりに見た同級生と楽しい時間を過ごせた同窓会ムービーとして、高い完成度の作品となりました。これは今後続くであろう「THE KAMENRIDER CHRONICLE」の第1弾として十分なスタートを切ったといえるでしょう。

(加々美利治)

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加々美利治

TVマンガ研究家。おもにトレーディングカードやシールといったアイテム関係のテキスト制作に携わる。21世紀以降は東映アニメーションやバンダイナムコのwebサイトでのライティングを請け負う。近年はネット記事執筆へと軸足を移す。

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