円谷プロ&マーベルによる新たなウルトラマンが刊行中。「アメコミ化」には歴史があった
アメコミ化は初じゃない! 過去のウルトラマンコミックスの歴史

円谷プロがマーベルとタッグを組んだ今回のウルトラマンの新作コミックですが、ウルトラマンがアメコミとして発売されるのは、実は今回が初めてではありません。
1990年に円谷プロダクションがオーストラリアで製作したテレビ版の『ウルトラマングレート』をきっかけに、ウルトラマングレートをメインにしたコミックスが2作、そしてウルトラマンティガを元にしたコミックスが1作存在します。
1993年にアメリカのHarvey Comicsが「ウルトラコミックス」のレーベルで発売『ULTRAMAN』は、ウルトラマングレートの本編の3年後を舞台として、怪獣ゴーデスの復讐を描く内容です。全3巻が発売されました。
その後、1994年に同じHarvey Comicsから「Nemesis Comics」とレーベルを一新してウルトラマングレートのコミック『ULTRAMAN』が続編として刊行。完全オリジナルのストーリーが展開されました。
主人公であったジャック=シンドーが途中で死に、エース=キムラという日系アメリカ人に変更するといった、大幅な変更などが加えられています。Harvey Comicsは同作の刊行後、1994年に出版事業を停止しているため、以後続編は発売されていません。
一方、「ヘルボーイ」で知られる大手出版社Dark Horse Comicsから2003年に出版されたのが『Ultraman Tiga』。香港の漫画家であるTONY WONGとKHOO FUK LUNGによって香港コミックスとして出版された作品を翻訳出版したものです。ストーリーはテレビ版のストーリーをなぞったものと完全なオリジナル展開が合わさった内容になっています。
もちろん、日本でコミカライズされたウルトラマンのコミックスも翻訳出版されていましたが、大手出版社によるウルトラマンのアメコミ化作品が発売されるのは、実に17年ぶりです。
『THE RISE OF ULTRAMAN』脚本を担当したマット・グルーム氏は「怪獣は、 我々の世界の闇や恐怖の具現化として表現されてきました。しかし、円谷英二さんほど、迫りくる切実で膨大な問題として理解している人はいませんでした」と、ウルトラマン作品における怪獣の取り上げ方に影響を受けたことを語っています。
日本で生まれ育ってきたウルトラマンに、マーベルの精神をかけ合わせて生まれる新たなウルトラマンはどうなっていくのか、注目したいところです。
(大野なおと)



