【シャーマンキング30周年への情熱(45)】仲間に明かされた、ラスボス・ハオと葉の関係
S・O・Fの回復と異なる属性を持つ理由

設定上、ハオは紛争地帯に好んで出現していたとされています。そこには大勢の犠牲者がいて、大量の魂が手に入るからです。それをS・O・Fに食わせることで、急速な回復を実現できたのです。このことに関係してくるのが、X-LAWSのメンバーたちです。
彼らの多くは元軍人ですが、現役当時、戦地でハオの襲撃にあい、自身が命の危機に晒されるだけでなく部隊を全滅させられるなど悲惨な経験をしています。例えば、ケビンは全身に大火傷を負い、ブンスターは両足を失いました。ハオは戦地で犠牲者の魂をS・O・Fに食わせていただけでなく、自分で犠牲者を作り出していたのです。
シャーマンキングダムの建国が目的のハオにとって普通の人間は等しく無価値なので、彼らがお互いに正義を名乗って殺し合っているのは茶番でしかありません。どちらもまとめてエサにしてやろう……ぐらいの気持ちだったのでしょう。しかしそれをされた方はたまったものではありません。ハオに対する憎しみが膨れあがるのは十分に理解できるというものです。
さて、シャーマンファイト本戦でブンスターが命をかけて起こした爆発ですが、ハオにはまったく効きませんでした。その理由は、彼が大陰陽師だったことにあります。S・O・Fは、五大精霊のうち火を司っているため、それ以外の属性を持つことは考えられません。ところが大陰陽師であるハオは「五行相剋」を完全に理解・体得していたため、その論理をS・O・Fに当てはめることができました。
火、水、土などの元素を操る方法は、世界各地で独自に研究されていたのでひとつではありません。ですからパッチ式では火の精霊でしかないS・O・Fも、陰陽術のやり方でなら他の属性を持たせることができたということでしょう。こんな複合技ができるのはハオならではであり、彼が操っているうちは、S・O・Fはあらゆる属性に対処できる能力を持っているのですね。こんな存在にどうやって勝てというのか。シャーマンファイト出場者たちの絶望が目に見えるようです。
しかしそこに唯一射す光……それがハオの半身である葉なのだと、少なくとも葉明たちは信じています。X-LAWSはそれが自分たちだと考えていますし、そういう者は他にもいるかもしれません。シャーマンファイトはますます混迷を極めていきますが、引き続き行く末を見守っていきましょう。
それでは今回はこの辺で。また次回よろしくお願いします!
(タシロハヤト)