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【シャーマンキング30周年への情熱(51)】恐山の戦いでぶつかり合った「強い思い」の正体

2021年4月から放送中のTVアニメ『シャーマンキング』第33話。4回にわたって描かれた「恐山ル・ヴォワール」編もとうとう終わりを迎えました。このエピソードでは何が描かれていたのか……。心情面と設定面から掘り下げて解説します。

マタムネが伝え、葉とアンナが胸に刻んだ「愛」とは?

「恐山ル・ヴォワール」編を通して、葉の価値観の原点も明らかになっていく。アニメ『シャーマンキング』33話より (C)武井宏之・講談社/SHAMAN KING Project.・テレビ東京
「恐山ル・ヴォワール」編を通して、葉の価値観の原点も明らかになっていく。アニメ『シャーマンキング』33話より (C)武井宏之・講談社/SHAMAN KING Project.・テレビ東京

 2021年11月25日(木)放送のTVアニメ『シャーマンキング』第33話。今回で「恐山ル・ヴォワール」編も終了となりました。次回からまた本編に戻って話が続きますが、しばらくは余韻に浸っていたい気持ちですね……。

 振り返ってみると、マタムネが最期に語った言葉のなかに、とても趣深いものがありました。要約すれば「相手がどうかではない、見返りも期待しない、信じると決めたら信じる自分の気持ち、それが愛である」というものですが、これが「自分の進むべき道は心で決める」ことの本質だというのです。

 つまり、葉のなかに芽生えたアンナへの「愛」と、それを受けてアンナが気付いた葉への「愛」とは、何があっても信じ抜くことであり、この出来事をきっかけに余計なものに惑わされず、そうすることがふたりの生き方になった……そう解釈できるのではないでしょうか。

 アンナがあれだけ葉に一途なのも、葉がなんだかんだ言いながらアンナの厳しさを丸々受け入れるのも、すべてこの「愛」によるものなんですね! そして葉は、誰に対しても見返りを期待せずに、まずは信じます。それが自分にマイナスをもたらしても恨みません。全然ブレていません。相手の言動で評価を変えるわけではないから、冷静に相手にも言い分があることを受け入れられます。

『シャーマンキング』という作品が分かりやすいヒーローものになっていないのは、葉の根底にこの「愛」があるからだということに気づかされるエピソードでした。

 一方で設定面から見ると、恐山での戦いは例外中の例外どうしの熱い激突でした。大鬼の正体は恐山に散らばる1080個の数珠で、アンナの強いウラミの念が無数の鬼となってそこに宿り、膨大な巫力によってオーバーソウルしたものでした。大鬼の服装は原作とは違うのですが、これは「原色魂図鑑」(講談社)に準拠したからです。

 マタムネは1000年前からのオーバーソウルで、霊なのに自分でもオーバーソウルを使う存在です。その原動力となる麻倉葉王の巫力は凄まじく、多少減ったぐらいでは休めば回復できるような描写もありました。このあたりについて順番に考察してみたいと思います。まずはマタムネについてです。

【画像】荒ぶる大鬼、止まらぬ涙…「恐山ル・ヴォワール」編のクライマックス(6枚)

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タシロハヤト

美少女ゲームブランド「âge(アージュ)」の創立メンバーで、長らくシナリオ、演出、監督等を務める。代表作は「君が望む永遠」シリーズ、「マブラヴ」シリーズ。現在はフリーで活動中。『シャーマンキング』の作者、武井宏之氏と旧知の関係である縁から、同作の20周年企画に参加している。
https://twitter.com/tamwoo_k