観てた男子挙手 『魔女っ子メグちゃん』破天荒ヒロイン「神崎メグ」は「グッとくる」
番組をけん引したメグの魅力とは?

本作の見どころを集約すれば、主人公である「神崎メグ」の魅力に尽きると思います。
お転婆で活発で、時には直情的に下品な言葉遣いになるという破天荒さは、それまでの魔女っ子シリーズばかりか他ジャンルにもあまり見られず、いわゆる優等生的なヒロインの多かった当時は新鮮な存在でした。
さらに、寝る時はスケスケのネグリジェ、弟「ラビ」や監視役の「チョーサン」からのイタズラによるパンチラやセミヌードなど、これまでの女の子向けになかったセクシー描写がふんだんに盛り込まれています。
このメグのデザインを担当したのは、後に数々の作品で多くの美形キャラクターを生んでいく荒木伸吾さんでした。荒木さんは初めてのキャラクターデザインだった『バビル2世』、その後の『キューティーハニー』に続いて、本作が3作目となります。その美麗なキャラクター造形がメグの魅力を支えた要因のひとつでしょう。
そして、忘れてはいけないのがメグの声を演じた声優の吉田理保子さんの存在です。この吉田さんの演技によって、メグは画面上で生き生きとして動いたといっても過言ではないでしょう。吉田さんの初主演作となったメグは、その後、多くの人に知られることになる彼女の代表作となりました。
このメグの魅力をさらに引き出すことになったのが、魔女っ子シリーズでは初のライバル役となったもうひとりの女王候補「郷(ごう)ノン」の存在です。冷静なクールビューティーで、このノンとの対比がメグをより輝かせました。もちろん、ノン自身も魅力的なキャラクターであることは間違いありません。
ノンは単なるライバルという関係だけでなく、時には窮地に陥ったメグを手助けすることもある役どころでもありました。情に厚いところもあるノンは、それまでの女の子向け作品に多かったイジワルなライバルキャラクターとは一線を画す存在だったわけです。
その代わりにイジワルなトラブルメーカーという役どころとなったのがチョーサンでした。さらに本作では、メグとノン共通の敵というべき「闇女王サターン」というラスボスのような存在が登場します。こういった従来のフォーマットになかったキャラクターの存在が、平凡な設定と思われがちの本作の後支えになっていました。
一度聴いたら耳に残る主題歌も本作の魅力です。メグの小悪魔的な魅力を歌詞と映像で存分に魅せるオープニング曲「魔女っ子メグちゃん」、一転して寂しげな街で子犬と戯れるメグを描いたエンディング曲「ひとりぽっちのメグ」は、本作の魅力を端的に表しているといえるでしょう。
オープニング曲では「ふたつの胸のふくらみは何でもできる証拠なの」とメグの明るさや強さを強調していますが、一転してエンディング曲では「何でもできると人は言うけれど魔女っ子メグはひとりぼっち」と、寂しさを表現した一種のアンサーソングになっています。
この主題歌が示すように、本作はメグのコミカルでハチャメチャな物語を基軸としつつ、時には女の子らしく心にしみわたるような感動的なエピソードもあって、こういった作風が女の子ばかりか男の子にも好評でした。そうした点で本作は、東映魔女っ子シリーズの集大成ともいえる作品になります。
それゆえに魔女っ子シリーズはここで一度、幕引きとなりました。再開されるのは1979年製作の『花の子ルンルン』となります。
当時を懐かしく思う人には印象的だった『魔女っ子メグちゃん』、男女関係なく、観れば今でも心に響くものがある名作のひとつです。
(加々美利治)





