いつも980円だった『グラディウス』 お年玉もおねだりも使い果たした小学生の後悔
1986年4月25日、コナミからファミコン用ソフト『グラディウス』が発売されました。選択式パワーアップというギミックを取り入れた傑作横スクロールシューティングとして人気を博したゲームです。
いつも電気店の広告に載っていた『グラディウス』
1986年4月25日に発売されたファミコン版『グラディウス』は選択式パワーアップというギミックを取り入れた傑作横スクロールシューティングとして人気を博しました。また、デバッグコマンドとして実装されていた上上下下左右左右BAこと「コナミコマンド」が裏技の代名詞として今もさまざまなゲームで使用されているなど、ゲームの歴史に大きな足跡を残しました。当時、ファミコンカセットを安売りしていた電器店で980円の『グラディウス』を購入した記憶を持つ早川清一朗さんが当時の記憶を語ります。
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ファミコン世代で『グラディウス』を知らない人はいないでしょう。ファミコンとしてはハイレベルなグラフィックとBGM、カプセルを回収して行う自機「ビックバイパー」の段階的パワーアップ画面いっぱいに配された大量のモアイなど、『グラディウス』が見せてくれた世界はかつてのシューティングゲームとは桁違いのものでした。
アーケード版『スペースインベーダー』からわずか8年で、家で『グラディウス』ができるようになったすさまじい進取の時代に渦巻いていた、作り手たちの「やってやる!」という熱意のすさまじさは今さらながらに感じるものがあります。
「コロコロコミック」や創刊間もないファミコン雑誌で『グラディウス』の存在を知った筆者は強い興味を惹かれましたが、迷いに迷います。ちょうどこの時期はファミコンカセットがたくさん出始めた時期にあたり、欲しいタイトルが複数あったのです。ねだりにねだって1本だけなら買ってもらえることになったので、最終的に筆者は『マイティボンジャック』
を選んでしまいました。当時の決断理由は今の自分にはまったく分かりません。すなわち永遠の謎です。
それからしばらくは3月に残しておいたお年玉で購入していた『ハイドライド・スペシャル』と『マイティボンジャック』を交互にプレイし、なんとも言い難い時間を過ごしたような記憶があります。この年は夏に『ワルキューレの冒険』も購入しているので、忍耐力はこの時期に大分鍛え上げられた気がします。