マグミクス | manga * anime * game

いまから始める『ファイブスター物語』 ぶっちゃけどこから手をつけたらいいの?

「興味はあるけど難しそう……」と、尻込みしている人も多いであろう、38年の歴史を誇る『ファイブスター物語』を、初心者でもスムーズに楽しめるよう解説していきます。その一歩、もう迷うことはありません。

いまからハマるならまず映画?

『ファイブスター物語』第18巻 著:永野護(KADOKAWA)
『ファイブスター物語』第18巻 著:永野護(KADOKAWA)

 2025年3月10日、ついに『ファイブスター物語』(著:永野護/KADOKAWA/以下、『F.S.S』)の単行本第18巻が発売されました。

 1986年の連載開始から38年にわたって多くのファンを魅了し続けてきた本作は、単行本以外にも副読本や模型、映画など幅広く展開しています。そのため「興味はあるけど今から追うのは大変そう」「どこから手をつければいいのかわからない」と尻込みしてしまう人も少なくないでしょう。以下、そのような『F.S.S』初心者でもスムーズに入っていける流れを紹介します。

●劇場アニメから入るのがおすすめ!

 まったく『F.S.S』のことを知らない方におすすめしたいのが、1989年に『宇宙皇子(うつのみこ)』と同時上映された劇場版『ファイブスター物語』です。やまざきかずお監督による本作は『宇宙皇子』目当てに来た人でも楽しめるよう構成されており、約1時間に『F.S.S』のファッションやメカデザインの魅力が詰まっています。2025年3月現在、「dアニメストア」にて配信中です。

 予備知識が皆無でもすんなりと『F.S.S』の世界に入っていけるので、劇場版を観たあとに単行本1巻を読むと、単行本だけでは把握しづらかったストーリーや設定上のギミックが理解しやすいでしょう。

●単行本は2種類

『F.S.S』には大きく分けて2種類の単行本があります。おすすめは最新18巻が刊行された「ニュータイプ100%コミックス」(KADOKAWA)の単行本です。2025年3月現在、手に入る1巻と2巻だけは「1998年エディション」と「2005年エディション」に切り替わっていますが、ストーリーに変更はありません。

 もうひとつの単行本シリーズは、同じレーベルから刊行されている、黒色の光沢ある装丁が特徴の『ファイブスター物語 リブート』です。こちらは雑誌「月刊ニュータイプ」掲載時の原稿をまとめてコメントを追加したもので、一見するとお得に見えます。しかし途中で刊行が止まっているので、最初に手を付けるのはおすすめしません。

 ほかにも『ファイブスター物語 リブート』と同じ黒色の装丁の『ファイブスター物語 トレーサー』もありますが、こちらは設定資料付きファンブックです。副読本の一種だといえるでしょう。

●再び劇場アニメ!設定資料集

 単行本を最新刊まで読み進めたら、次に観てほしいのが2012年に公開された劇場アニメ『花の詩女 ゴティックメード』です。こちらは上述した劇場版『ファイブスター物語』とは違って、永野護先生本人が監督を務めており、『ファイブスター物語』のある歴史的イベントが描かれています。マンガというメディアで描かれたキャラクターがどのように動くのか、メカがどんな音をたてるのか、などが存分に味わえるので、原作を知る人にこそ観てほしい作品です。

 ただし『ゴティックメード』は2025年3月現在メディア化されておらず、サブスクで観ることもできません。劇場でしか観ることができない作品なので、リバイバル上映される機会を逃さずチェックしましょう。

 そして最後に設定資料集です。こちらも1980年代から何十冊も刊行されているため、ぱっと見ただけでは何から手を付ければ良いかわからないでしょう。おすすめは『F.S.S. DESIGNS』シリーズです。2025年3月現在、7冊目まで刊行されているので、1冊目から揃えるのが良いでしょう。

 長期連載によって複雑化した『ファイブスター物語』ですが、メインストーリーは決して難しくありません。むしろ王道の展開です。より深く楽しみたいとハマってしまった(!)ときに設定資料集が必要になるだけで、単行本や連載だけでも十分に楽しめます。

 新刊発売のこの機会にぜひ手にとってみてください。これまで目にしたことのなかった永野ワールドの独創性に衝撃を受けることでしょう。

(レトロ@長谷部 耕平)

【画像】驚愕どころの騒ぎじゃなかったMHとGTM「ザ・ナイト・オブ・ゴールド」で見比べる(9枚)

画像ギャラリー