【シャーマンキング30周年への情熱(9)】2003年のゲームで原作と異なる「結末」の意味は?
「書き下ろし」は作者にとってのテストでもあった?

こうして見ると、原作・ゲームともに主張が一貫しているものの、立場が違うことがわかります。これらのことから想像できるのは、もしかしたら武井先生は、原作のラストの構想を一度ここで試してみたのかもしれない……ということです。連載中だった当時はいつになったら最終回を迎えるかわからない状態ですから、その内容が明確に決まっていなかった可能性があります。
そんななかでゲーム版では、思考整理の場としてもファンの反応を見る場としても良い機会だったのではないだろうか……そう筆者は考えます。
その後、実際に原作で続編が描かれてみると、シャーマンキングという存在は決して万能ではないことがわかります。大きな力は持っていても人の心を突然180度変えてしまうとか、地球を恐竜時代に戻すなんてことはできそうにありません。長い時間をかけて歴史が刻まれるなかで、ただ自然に任せるよりは自分の望む方向に変化させやすい……そのぐらいのように見受けられます。
それが武井先生の理念だったのであれば、ゲーム版のラストよりは現状の方がそれをより上手く表現できているようにも思え、もしかしたらゲームの存在がそれを導いてくれたのかもしれません。
話は変わりますが、2020年6月から毎月刊行されている紙版コミックス、みなさんはもうご覧になりましたか? 大幅重版がかかるほどの人気ということで、筆者にとっても嬉しい限りです。新旧イラストを掲載したWカバーというのも楽しい試みですね! 実は旧版イラストの表紙は、当時とまったく同じではありません。両方持っている方はいろいろと違いを探してみるのも楽しそうです。
そういえば、裏表紙にバーコードや価格表記もありません。これは、通常書店で行うシュリンク作業(ビニールでパックする作業)を出版社側が出荷状態で行っているからできることだそうで、書店の負担軽減と、本を綺麗に見せたいという想いからだと聞きました。また、よく見ると裏表紙のビニールには破線があって破りやすくなっています。嬉しい心遣いですね。
ところでふと思ったのですが、これ32巻以降はどうするんでしょうね……。元イラストを掲載していたJC版は32巻で終わりですが、物語はまだ先があります。とすると「完結版」のカバーイラストを今のタッチで描きおろすのでしょうか?
旧版の32巻と完結版32巻も表紙が違いますね。旧版は全員集合、完結版はプリンセス・ハオです。これもどうなるのでしょう? 発売はまだ先の話ですが、気になる&期待が膨らみます!
それでは今回はこの辺で。今後も「シャーマンキング」に関する楽しい情報をお届けしたいと思います!
(タシロハヤト)



