【シャーマンキング30周年への情熱(9)】2003年のゲームで原作と異なる「結末」の意味は?
2003年発売のゲームキューブ用ソフト『シャーマンキング ソウルファイト』を何とかクリアすることができた筆者。同作に収録された、「武井宏之先生書き下ろしシナリオ!」の結末はどのようなものだったのでしょうか。
原作マンガにもなかった「結末」

新作アニメプロジェクトの始動など、今後の展開に大きな注目が集まっている「シャーマンキング」ですが、筆者はこれを機会に2003年に発売されたゲームキューブ用ソフト『シャーマンキング ソウルファイト」をプレイ。前回の記事では、ラスボス・ハオが倒せない! と嘆いていた筆者ですが、どうにかクリアすることができました。
内容について触れていきたいと思いますが、そこで見たエンディングは想定外のものでした……。なお、レトロゲーム機用の17年前のゲームなので、今さらネタバレされて困るということもないでしょうが、ここから先はエンディングの内容が書かれていますので、ご注意下さい。
ゲームのシナリオは「原作のまとめ」として進んでいたのでラストも同じかと思いきや、無事にハオを倒した葉たちを待っていたのは、原作とも違うオリジナルの展開でした。なんと、ハオはシャーマンキングの座を葉に譲ってしまうのです!
ハオは、地球を破滅に導く人類を抹殺し、シャーマンだけの世界「シャーマンキングダム」を創る野望を持っていました。人類は自分のことしか見えていないので、地球を滅びの道に向かわせている自分たちの行いすら理解できていない。霊が見え自然と対話できるシャーマンだけが地球と共存できる……という主張です。
その極端な考え方を、葉たちは「まるで子供が理解者(友達)不在でひねくれてしまい、自分の殻に引き籠もって気持ちをこじらせてしまったようだ」ととらえ、そこから救い出そうとします。それが当時話題になった、幽閉されたお姫様「プリンセス・ハオ」の表現につながっています。
原作では、ハオを救い出した葉はその後、人間を信じる立場を取って争いをなくすために世界を駆け回る一方、無限の時間を得たハオはグレートスピリッツのなかでしばしそれを見守る……という展開ですが、ゲームシナリオでは、ハオは葉の行動の結果を500年後に判断すると宣言し、さっさと転生してしまいます。
その時に人間たちが変わっていなければ、今度こそ滅ぼしてやるというわけです。残された葉たちは、仲間や子孫の理解・協力を得て未来を作り上げていこうと、決意を新たにして終わります。