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「小栗旬x蒼井優」で復活する『ガス人間』 なぜ「泣ける特撮」は現代によみがえったのか

2009年には高橋一生、中村中らで舞台化

2009年の舞台『ガス人間第1号』ポスタービジュアル
2009年の舞台『ガス人間第1号』ポスタービジュアル

 海外でも人気だったことから、『ガス人間』は『フランケンシュタイン対ガス人間』として続編化する構想もありました。しかし、オリジナル版のラストはあまりにも痛切で、完成度が高かったこともあり、馬淵氏は続編を執筆することなく、1987年に亡くなっています。

 愛する女性のために暴走する『ガス人間』は、2009年に舞台化されています。舞台『ダブリンの鐘つきカビ人間』などで知られる劇作家、演出家の後藤ひろひと氏が脚色し、「ガス人間」を高橋一生さん、ヒロインを中村中さん、刑事を伊原剛志さんが演じています。

 オリジナル版の藤千代が日本舞踊の家元であったのに対し、舞台版の藤田千代はミュージシャンという設定に変わっています。しかし、社会から疎外された者の哀しみを描いている点では共通しています。

 舞台版は2010年にNHK教育で一度だけ録画中継されていますが、その後はソフト化されず、再放送の要望が高い“幻の舞台”となっています。

広瀬すずがリブート版のキーパーソンか?

 Netflixが2026年に配信する『ガス人間』は詳細が明かされていませんが、全8話の構成になるようです。広瀬すずさんは顔に大きな痣(あざ)のある動画配信者、竹野内豊さんは刺青のあるヤクザに扮したキャラクタービジュアルが発表されており、現代を舞台にしたオリジナル要素の強いドラマになりそうです。

 プロデューサーと脚本を兼任するヨン・サンホ氏は、劇場アニメ『ソウル・ステーション/パンデミック』(2016年)なども監督しており、スケール感のあるパニックサスペンスを得意としています。オリジナル版『ガス人間』にあった「ガス人間が生きているだけで、大変な社会不安を生み出している」というセリフを、クローズアップした内容になることが考えられます。

 現代では、可視化されにくい「社会的弱者」が問題となっています。リブート化のタイミングとしても、適していると言えそうです。

 片山監督は「男女の恋愛劇の中にガス人間が絡んでいるという点は共通しています」とインタビューで語っています。愛に生き、愛に殉じた「ガス人間」は、リブート版でどのように甦るのでしょうか。

 不定形のガスのように、「愛」という感情もとらえどころのないものなのかもしれません。

(長野辰次)

【画像】「えっそんな感じ?」 これが「ガス人間」が気体に変わる瞬間です(5枚)

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長野辰次

フリーライター。映画、アニメ、小説、マンガなどのレビューや作家インタビューを中心に、「キネマ旬報」「映画秘宝」などに執筆。現在公開中の『八犬伝』(キノフィルムズ配給)の劇場パンフレットなどにもレビューを寄稿している。

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