マグミクス | manga * anime * game

35年後にようやく「本当の姿」を披露 不遇の『セブン』ラスボス「揚げ物」怪獣の衝撃ビジュアルとは

『ウルトラセブン』のラスボス「パンドン」は、何とも不思議なビジュアルをしています。あれはパンドンの「本当の姿」でないことをご存知でしょうか?

こんなのパンドンじゃない……いいえ本当はこっちなのです

『S.H.Figuarts パンドン 史上最大の侵略セット』(BANDAI) (C)円谷プロ
『S.H.Figuarts パンドン 史上最大の侵略セット』(BANDAI) (C)円谷プロ

『ウルトラセブン』(1967年放送開始)のラスボス怪獣は「パンドン」です。「ウルトラセブン」を死の淵まで追い込んだ、非常に恐ろしい怪獣でした。そんなパンドンは、30年以上後に「新たなビジュアル」も話題になっています。

 パンドンの外見は、非常にユニークです。「双頭怪獣」という別名を持ちますが、実際のところ頭部は一つで、その頭部の両側から嘴がふたつ突き出しています。そこから胴体に至るトゲトゲの異形ぶりも相まって、どこか串カツを彷彿させるデザインではあります。ある意味ではラスボスらしからぬ外見こそ、パンドンが持つ魅力ではないでしょうか。

 さて初登場から時は経ち、1994年から始まった「平成ウルトラセブン」シリーズのなかで、2002年に『ウルトラセブン誕生35周年EVOLUTION5部作』というオリジナルビデオが販売されました。そこには「ネオパンドン」という、パンドンをリニューアルした怪獣が登場したのです。

 このネオパンドンは、初代パンドンとは大きくビジュアルが変更されています。最大の特徴は頭部です。本当に「双頭」怪獣になっています。胴体から2本の首が生え、それぞれ独立した頭部を持つ怪獣となっていたのです。

 初代パンドンの異形ぶりに親しんだ人からすれば、別怪獣とはいえ、このビジュアルの変更には、多少の寂しさを覚えたことでしょう(筆者もそうでした)。

 しかし、パンドンに関する驚きの事実があります。実は、このネオパンドンこそが、当初『ウルトラセブン』のラスボスとして想定されていた真のパンドンの姿だったのです。

 もともとデザイン担当の池谷仙克さんが描いたパンドンは、『セブン』に登場した不思議な形状ではなく、ちゃんと首が2本生えた「双頭怪獣」でした。

 さらに、実際にそのデザイン画通りのパンドンの着ぐるみも、当時制作されています。ただ、理由は未だ不明ではありますが、撮影現場の判断によって2本の首は取り止めとなり、その間は例の「トゲトゲ」で埋め合わされて、私たちの知るパンドンが誕生したのでした。

 つまりパンドンは35年間も、本当の姿を知られることなく、「串カツ」などと揶揄されてきたのです。不遇、あまりにも不遇ですが、こういった点もパンドンが背負った宿命と重なり、なお愛おしくなります。

 もし当時の初代パンドンしか知らないという方は、ぜひとも彼の本当の姿である「ネオパンドン」を見てやってください。なお2008年公開の映画『大決戦!超ウルトラ8兄弟』では、ネオパンドンに良く似た「キングパンドン」という怪獣も登場します。

参考書籍:『円谷怪獣デザイン大鑑 1971-1980』(ホビージャパン)

(片野)

【画像】え、「これが本来の姿か」「確かに名前通り」 コチラがしっかり「双頭」になった『ウルトラセブン』ラスボス・パンドンです

画像ギャラリー

片野

構成作家。1960年代カルチャーを好む。これまでに「ウルトラ」シリーズをはじめとする特撮番組、「ドラゴンクエスト」「ポケットモンスター」など国民的RPGシリーズ、ギャグマンガのジャンルで記事を多数執筆。

片野関連記事

もっと見る

編集部おすすめ記事

特撮最新記事

特撮の記事をもっと見る