【シャーマンキング30周年への情熱(30)】木刀の竜が語る「ベストプレイス」とは何か?
竜達の未熟さが「ベストプレイス」にたどり着けない理由?

ただ、竜の仲間たちはもとより、竜自身もそのことをきちんと自覚しているようには見えません。それはなぜでしょうか?
彼らはいわゆる不良として描かれていますが、これは自分を持て余しているのにどうしていいかわからない、コミュニケーションの苦手な人たちのアバターだと考えることができます。どうしていいかわからないので、平穏を求めつつも力で強引に解決しようとするなど、矛盾した行動をします。
彼らは他人を拒絶したいどころか認めて欲しいと考えていて、だからこそ社会の中に居場所を求めていますが、このやり方では叶わないということに気付いていません。つまり自分たちが求める「ベストプレイス」が何かということも、理解しているとは言えません。
これでは、どんな場所に行っても「ベストプレイス」だと感じることはできないでしょう。実際に本編の回想シーンでも出てくるのは遊び場のような場所ばかり。これは竜の本心とはズレていますが自分で気づいていないのでしょう。仲間たちが勘違いしてしまうのも無理はなく、リーダーである竜の未熟さが、自分たちをゴールから遠ざけてしまっているのだろうと思います。この問題の解決はとても困難だと思われるのですが、そこで起きたのが蜥蜴郎の憑依です。
憑依を通じて、竜は蜥蜴郎の辛い人生を知ったでしょう。また悪人として振る舞っていた自分を客観的に見ていたでしょうし、仲間たちが自分を心配していたのも覚えているはずです。これらを通して得られた経験は、普通では得られない凝縮された人生経験で、竜にとって気づきをもたらす重要なものだったはずですが、果たして彼はそれを理解できたでしょうか? ひと回り大きく成長することができたのかどうか……この先の展開に注目したいところです!
しかしこうして考えてみると、竜たちは実にリアルな存在だと思います。彼らと同じように「居場所がない」と感じつつ、どうしていいかわからないまま迷い続けているという悩みは、学生さんをはじめ、20代~30代半ばの社会人の方に多いようです。
例えば、今回は「安らぎ」という言葉を拡大解釈することで「大変でもやり甲斐がある」というのも同じような意味ではないか……と述べましたが、言葉や条件をそのまま受け止めるのではなく、少し見方を変えてみると、気づきがあるかもしれませんね。
最後になりましたが、2021年4月18日から名古屋にて「シャーマンキング展」が開催中です。今回筆者は祝花を送るだけに留めざるを得ませんでしたが、本当は行きたくて仕方がありません! グッズの新作にも興味があります!! 足を運べる方はぜひ楽しんで来てください!(羨ましい……)
それでは今回はこの辺で。また次回よろしくお願いします!
(タシロハヤト)
※アニメ『シャーマンキング』は、毎週木曜日17:55より、テレビ東京系6局ネットで放送中です。Netflix、Amazonプライムビデオなど各配信サービスでも配信されています。
(C)武井宏之・講談社/SHAMAN KING Project.・テレビ東京




