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【シャーマンキング30周年への情熱(32)】愛される三枚目キャラ・ホロホロの背景にあるもの

2021年4月から放送中のTVアニメ『シャーマンキング』第6話では、シャーマンファイトの予選が始まりました。初戦の相手は氷を操るシャーマン・ホロホロです。単なる「熱血キャラ」で終わらない背景をもち、多彩な能力の展開を見せる彼は、ファンの人気も高いキャラクターのひとりです。

自然と一体になることを望むシャーマン

シャーマンファイト予選で、主人公の葉と対戦したホロホロ。アニメ『シャーマンキング』第6話より
シャーマンファイト予選で、主人公の葉と対戦したホロホロ。アニメ『シャーマンキング』第6話より

 昨日2021年5月6日に放送されたTVアニメ『シャーマンキング』第6話は、タイトルそのままの内容、ホロホロとの対戦回でした。新キャラ・ホロホロはその性格から、ライバルとして登場して勝負をしていながら、いきなり距離を縮めて友人となる存在です。原作や前回のTVアニメからのファンにとっても、登場当初から愛され続けています。

 そんなホロホロの魅力が詰まった初登場、初戦闘が余すことなく描かれており、見応えがありましたね! 今回はホロホロというキャラクターについて、少し掘り下げてみたいと思います。

 筆者は以前、「マグミクス」での連載27回で、麻倉葉はシャーマンの主人公という構造上、落ち着いた静かな心や何事にも動じない精神力が必要なキャラで、これはバトルマンガに求められる主人公像とは反対であると述べました。その代わり、熱血要素はライバルたちに割り当てられています。ホロホロは道蓮と並んでその筆頭と言えるでしょう。

 ホロホロの熱血さは、それを心に秘めて燃やし続ける蓮とは違い、わかりやすく言動に表れます。また相手が強くても、それを妬んだり恨んだりするよりは自分の未熟さを反省するタイプで、まず相手を認めることから始まります。これは、彼の生い立ちに大きな理由があると思われます。

 ホロホロは自然と一体となって暮らしてきた一族の末裔です。現代っ子ではあるものの、その魂は受け継いでいます。天候のような大きな自然の力や、熊などの強い獣と共存することが彼らの生き方です。そしてそこにあるものは「弱肉強食」。人間にはどうすることもできない序列のなかで、それを認めながら己を磨いていく姿勢がなければ生き抜いていけない世界なのです。

 こうしてみると、キャラクターの設計や配置として、ホロホロは脇を固める三枚目のおバカキャラにふさわしい存在ですが、単に「そういうキャラってこういうもの」で終わらせず、なぜそうした性格を持っているのか納得できる設定が組み込まれている点に、武井先生のこだわりがうかがえますね! 木刀の竜と同様、ホロホロもこれからの『シャーマンキング』になくてはならない存在になりますから、楽しく見守っていきたいと思います!

 では次に、そんな彼の持霊・コロポックルのコロロについて触れておきましょう。

【画像】アニメ『シャーマンキング』6話…阿弥陀丸と力を合わせ、ホロホロと戦う葉(6枚)

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タシロハヤト

美少女ゲームブランド「âge(アージュ)」の創立メンバーで、長らくシナリオ、演出、監督等を務める。代表作は「君が望む永遠」シリーズ、「マブラヴ」シリーズ。現在はフリーで活動中。『シャーマンキング』の作者、武井宏之氏と旧知の関係である縁から、同作の20周年企画に参加している。
https://twitter.com/tamwoo_k