【シャーマンキング30周年への情熱(39)】天使を持霊にする正義の集団・X-LAWSとは何者なのか?
木刀の竜が成長したいきさつとは?

なお、今回登場したマルコ以外の天使隊の仲間は、全員が元軍人です。1991年の湾岸戦争で出兵した者や、元デルタフォース、元SASなどさまざまですが、彼らは戦場でハオと出会い被害に遭っています。ハオは多くの魂をスピリット・オブ・ファイアに食わせるため、好んで戦地に顔を出していたのではないかと思わせる設定です。
さて話は変わり、アニメ17話の前半部分では、木刀の竜がどうやって力を身につけたのかが描かれていました。彼は葉明に修行をつけてもらっていたのですね。
その資格を得るために放り出された場所は、奥出雲の渓谷「鬼の舌震(したぶるい)」ですが、ここは実在する場所です。ゴールとされた船通山(せんつうざん)の頂上にも、「天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)出顕之地」という碑が実際にあるようです。
ちなみに天叢雲剣はこの時、ヤマタノオロチを退治したスサノオによってアマテラスに献上されます。後世になってヤマトタケルがそれを持ち東征に赴いた際、敵の放った野火を避けるためこの剣で草を払い、窮地を脱します。その際にヤマトタケルはこれを「草薙剣(くさなぎのつるぎ)」と名付けたとされています。草薙剣は日本国における「三種の神器」のひとつです。
ところで調べてみたところ、奥出雲だけでなく隣接する雲南市にもヤマタノオロチにゆかりの場所が多数あるようです。ヤマタノオロチを酔わせるための酒を作った場所だとか、枕にして寝ていた山だとか……これらの多くは斐伊川(ひいかわ)沿いにあるようで、葉明が言う「ヤマタノオロチとは斐伊川のことだ」というのは説得力を感じます。
地図で川の流れを見ると、確かに蛇がうねったような形をしていて、太古の昔はよく氾濫しただろうと思わせます。
木刀の竜のオーバーソウルは、ヤマタノオロチをモチーフにしています。いかに船通山までの道のりが過酷だったか、頂上からの眺めが美しかったか、そして葉明の言葉が心に響いたかが分かるというものです。オーバーソウルをどのような形にするかはシャーマンの想いで決まりますよね? これはX-LAWSも同じなので、竜の経緯と天使登場を描いた17話は後々になって深い意味を持つ構成なのだと、筆者は考えています。
それでは今回はこの辺で。また次回よろしくお願いします!
(タシロハヤト)
(C)武井宏之・講談社/SHAMAN KING Project.・テレビ東京





