歴代最狂?『ゼンカイジャー』秋のカオス回3選!とんでもテニス、町がダイヤだらけに
毎週日曜日にトレンドを賑わす特撮番組『機界戦隊ゼンカイジャー』。この2021年秋は話題を集めるカオス極まるエピソードが続出しました。物語もクライマックスに近づいてきている今、改めて今秋のクレイジー回を紹介します。
伝説の教師もパロディの餌食に
いよいよ『機界戦隊ゼンカイジャー』のカオスぶりに、歯止めが効かなくなってきました。
『ゼンカイジャー』はスーパー戦隊シリーズの記念すべき45作目であり、スーパー戦隊そのものをモチーフにしています。さらに、敵キャラの攻撃の異次元ぶり、どう考えてもアドリブとしか思えないセリフの応酬、そして湧き出るような小ネタの数々も加わり、かねてから「歴代最狂なのでは?」と言われていました。
とりわけこの2021年秋クールにかけては、物語上大きな展開を見せているというのに、個々のエピソードのネタのインパクトが本筋の衝撃を上回るほどのカオスっぷりを見せています。この記事では、毎週日曜日にSNSを賑わせている『ゼンカイジャー』から、秋クールを中心に最狂の3話を選出しました。本格的な冬を迎える前に、カオスで体を温めましょう。
●第29カイ!「王子のねらい、知ってるかい?」
ファンの間では「テニプリ回」と言えば通じる、すでに伝説の回となっているエピソードがこちらです。人々をテニスボールに変えてしまうテニスワルド(見た目はお蝶夫人)を倒すべく、主人公の介人たちはなぜかマンガを読んでテニスの特訓に励みます。
以降、「まだまだだね」を皮切りに、『テニスの王子様』ファンなら反応せざるを得ない小ネタが乱射されます。特訓で滝行、相手の五感を奪うテニス……などなどカウントが追いつかないほどでした。『テニスの王子様』ミュージカルにゾックス役の増子敦貴さんが出演されているからこそ、実現できたエピソードかもしれません。なお『テニプリ』原作者である許斐剛先生も、自身のツイッターで「楽し過ぎました」と絶賛コメントを寄せました。
●第33カイ「グレートティーチャー鬼使い!」
お察しの通り、この回は『GTO』(著:藤沢とおる)のパロディでした。もはや逃げも隠れもしない姿勢を貫くのが『ゼンカイジャー』です。敵のガクエンワルドが支配する「トジテンド学園」に閉じ込められた、学ラン姿のゼンカイジャーたち。学園から脱出するためには、これまたなぜか教師姿のステイシーが出題するテストに合格しなくてはなりません。
ただ、この問題が『ゼンカイジャー』に関する超難しいカルトクイズ(「スシワルドの両腕のネタを4つ答えろ」など)で、全員落第してしまうのです。しかし、ゼンカイジャーたちはそこから「だったら不良になってケンカを起こし、校長のガクエンワルドを呼び出そう」という奇策に転じて、みごと勝利をおさめます。どういうことでしょうか。なお、ガクエンワルドの断末魔は「しくじり先生 俺みたいになるな」。いたるところに不良マンガ、ドラマのパロディがねじ込まれたカオス回でした。
●第35カイ「ダイヤモンド◆ユカイ?!」
いよいよハカイザーの正体が明かされた回なのにこのタイトル、最高というほかありません。ダイヤモンドワルドの攻撃によって町じゅうのあらゆるものが硬くなってしまい、さらには介人を除くジュランたち4人は「ダイヤ」としか喋れなくなるという「平常運転」のカオスぶりでした。公式アカウントや演者さんのSNSでも「ダイヤダイヤ」と呟かれ、それに反応した視聴者もまた「ダイヤダイヤ」と返し、現実世界もお祭り状態に。なお、ダイヤワルドは実にあっさり倒されます。
今回紹介したのは、秋クールのみに限ったエピソードです。いかに『ゼンカイジャー』が爆発力を持った戦隊シリーズであるかがうかがえます。ギャグ要素を押し出した形での解説となりましたが、本作は特撮バトルの演出も迫力満点です。
さらに、ステイシーやハカイザーの今後、機械王ボッコワウスの謎のペット・ゲゲの思惑などなど、物語としても注目すべき要素がてんこ盛り。『機界戦隊ゼンカイジャー』は、今の子供たちはもちろんのこと、これまで戦隊シリーズに親しんできたすべての人たちを「全力全開で楽しませてくれる傑作」になると信じたくなるほど、盛りだくさんの内容になっています。
(片野)