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風よ!光よ!で子供たちを熱狂させた『快傑ライオン丸』 陰に日本初のライバルキャラも

特撮ヒーロー番組初となったライバルヒーローの登場

タイガージョーが表紙のバージョンもある「特撮DVD 快傑ライオン丸 プレミアムコレクターズエディション」(アミューズ・ビデオ)
タイガージョーが表紙のバージョンもある「特撮DVD 快傑ライオン丸 プレミアムコレクターズエディション」(アミューズ・ビデオ)

 そして、敵役にスポットを当てるという意味では、特撮ヒーロー番組史上初のライバルヒーローと言われる「タイガージョー」の存在が、本作の大きな魅力のひとつとなっています。

 タイガージョーは、虎錠之介がゴースンから渡された「銀砂地の太刀」で変身するライバルキャラ。ゴースンの手下でしたが卑怯な手を使うことが嫌いで、正面から獅子丸と戦うことで徐々に友情のようなものが芽生えていきました。ライオン丸との戦いで隻眼となり、目に付けた眼帯がカッコよさを引き立てています。

 このタイガージョーの登場で、ドラマ部分が一層密度の濃いものになっていきました。そして、1話完結ながら錠之介の成長物語という側面を見せ始めます。余談ですが、タイガージョーのテーマが口笛のみなのは予算の都合でした。しかし、この口笛が錠之介らしさを引き立てていたと思います。当時、子供はみんなこのマネをしており、筆者の通う学校でも口笛が流行っていました。

 実はタイガージョーは、それほど長い間登場させる予定ではなかったそうです。しかし、子供たちから高い人気を得たことで終盤まで登場することになりました。この他にも、ピープロの社長だったうしおそうじさんは、錠之介役だった戸野広浩司の演技を絶賛し、次回作は「タイガージョー」のドラマを作ろうと考えていたそうです。

 しかし、悲劇は突然起きました。『快傑ライオン丸』のロケで宿泊中の旅館で、戸野広さんは事故により帰らぬ人となってしまったのです。その早すぎる死は、どれほどの衝撃だったでしょう。

 この後、番組は続くことになりますが、錠之介役は同期であり親友でもあった福島資剛さんが演じることになりました。福島さんの演技も素晴らしいもので、タイガージョーの人気は落ちることなく、最後まで演じきっています。その好評から、次回作『風雲ライオン丸』では虎錠之進/タイガージョーJr.として、番組中盤から引き続き出演していました。

 このように紆余曲折ありましたが、本作は高い人気のまま放送終了を迎えます。その最終回までの流れは秀逸で、番組を大いに盛り上げました。本作の高い人気は、次回作『風雲ライオン丸』につながります。

 また、2006年には設定の一部を流用した『ライオン丸G』という作品が作られました。このほかにも、1990年代には『激闘ライオン丸』、海外向けには『サムライオン』というリメイク企画も存在していたそうです。それだけ本作には、根強いファン層があったと考えられるでしょう。

 当時の熱気はまだ生まれていなかった世代に伝わりづらいかと思いますが、本作は間違いなく1970年代の特撮ヒーロー作品の一角を担った名作だったと思います。

(加々美利治)

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