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今こそ再評価したい昭和ウルトラシリーズの「超獣」たち ド派手な魅力を振り返る

再び脚光を浴びる「超獣」たち

「超獣」の生みの親のインタビューも載った『豪怪奔放―円谷怪獣デザイン大鑑1971‐1980』(ホビージャパン)
「超獣」の生みの親のインタビューも載った『豪怪奔放―円谷怪獣デザイン大鑑1971‐1980』(ホビージャパン)

●トゲトゲ フサフサ 「子供心」に刺さる要素がてんこ盛り!

『豪怪奔放』の鈴木氏へのインタビューでは、「超獣」を「超獣」たらしめるトゲトゲやフサフサについても踏み込んでいます。首回りのフサフサや、全身を覆うようなトゲ、玉状の何かなど鈴木デザインに多く見受けられるディティールは、時間が少ないなかで無意識的に施されていった向きも多いようです。

 実際、エースキラーなどは、鈴木さんご自身でも「なんでこんなものを描いたのか」と振り返るほど奇抜。こうした生みの親のプリミティブな感覚と、少年たちの感性が呼応したときに、傑作超獣は生まれたのかもしれません。

●どんどん再評価が進む「超獣」たち

 あまりにも成田亨氏のデザインが「偉大」だったためか、まさに過剰を目指した「超獣」の評価は(子どもらは別として)、平成時代に入ると顧みられる機会に恵まれない状態が続きます。

 しかし、時代の潮目も徐々に動き出し、例えば2006年放送『ウルトラマンメビウス』でも他の昭和シリーズ怪獣と同様に、バキシムやドラゴリーが大暴れ。さらに2020年放送の『ウルトラマンZ』ではウルトラマンエース自体が大きくフィーチャリングされ、超獣バラバも令和に大復活を遂げました。

 全体的にド派手さが売りの「超獣」を愛するファンの輪は、一時期とくらべて格段に大きく広がっているようです。何より『シン・ウルトラマン』の監督・樋口真嗣氏は、そもそも「超獣」の大ファンなのです。今後も、さまざまなウルトラ作品で「超獣」が見られることを望みます。

(片野)

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