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放送開始した特撮『GARO -VERSUS ROAD-』 不透明な世界で「生き残りと選択」に向き合うドラマ

波紋を起こした『バトル・ロワイアル』『龍騎』を彷彿?

世那の友人で、ゲーム世界での戦いに参加することになる星合翔李(清水尚弥)
世那の友人で、ゲーム世界での戦いに参加することになる星合翔李(清水尚弥)

 現実世界では気弱な翔李ですが、ゲームの世界では気が強くなり、いきなり南米の格闘技カポエラを披露してみせます。ボクシングを習っている世那は、普段は人を傷つけないように気をつけているものの、ゲームの世界だと分かり、本気モードになります。翔李を襲っていたチンピラを打撃技だけでなく、プロレス技も使って倒します。人数がひとり減りました。このゲームの世界では、通常よりもパワーがぐんと増大するようです。

 主人公たちが生き残りを賭けて、最後の1人になるまで戦い続けるという設定は、深作欣二監督の映画『バトル・ロワイアル』(2000年)を思わせます。また、特撮ドラマ好きな人なら、2002年にテレビ放映された『仮面ライダー龍騎』(テレビ朝日系)を思い浮かべるのではないでしょうか。

 少年少女たちが武器を手に殺し合うという『バトル・ロワイアル』は、その壮絶な内容が国会でも取り沙汰された問題作でした。ニューヨークで起きた「9.11」同時多発テロの後に制作された『仮面ライダー龍騎』も、13人いるライダー同士が戦うという斬新な設定が大きな波紋を呼びました。正義のヒーローが悪を倒すという勧善懲悪の物語ではなく、勝ち残った者がヒーローになるというリアルな考え方を、受け入れられない人も多かったのです。

不透明な現代社会を投影した世界観

 今回、雨宮監督は同作の原案のみにとどまっており、メインディレクターとして綾部真弥監督の名前がクレジットされています。綾部監督はこれまでに映画『人狼 インフェルノ』(2018年)など、心理サスペンス「人狼ゲーム」シリーズの監督・脚本を手掛けてきました。また、女子高生たちが血まみれになる園子温監督の不条理映画『リアル鬼ごっこ』(2015年)や、犯罪サスペンスの傑作『ヒメアノ~ル』(2016年)などに助監督として参加しています。これまでの「牙狼」シリーズとはずいぶん異なる、過激な展開となりそうです。

 ゲームの案内人である美女・朱伽とは、何者なのか? このゲームは誰が、何の目的で主宰しているのか? 第1話の終わりに、世那たちの戦いを眺めていた赤い髪の女性・アザミ(日南響子)は物語にどう関係していくのか? 回が進むにつれ、謎はますます深まっていくのではないでしょうか。

 現実の世界も、目には見えない新型コロナウイルスの影響で、街の様子は瞬く間に変わってしまいました。東京五輪が延期になるなど、将来が予測できない不透明な状況となっています。ごく普通の大学生である『VS ROAD』の主人公・世那は、これからどんな選択をし、どうサバイバルしていくことになるのでしょうか。戦うこと、生きることの意味を問いかける、目が離せないドラマになりそうです。

(長野辰次)

※ドラマ『GARO -VERSUS ROAD-』は、TOKYO MXで毎週木曜22:00~、BS日テレで毎週木曜 25:00放送中。バンダイチャンネル、Huluなどでも配信されます。

(C) 2020「VERSUS ROAD」雨宮慶太/東北新社

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