【シャーマンキング30周年への情熱(7)】最新広告で強調された「ふんばる」に込めた意味は?
『SHAMAN KING』再アニメ化プロジェクト始動の発表は大きな反響を巻き起こしました。引き続き原画展の続報も。いま一度情報を整理しつつ、新たに展開される広告キャンペーンに込められたメッセージをひも解きます。
多くの反響を得られた新TVアニメ化発表!
2020年6月12日(金)、『SHAMAN KING」TVアニメ新プロジェクトの始動が発表されましたが、ツイートの勢いは圧倒的でした。一時はワールドトレンド1位を獲得し、嬉しくも予想外の反響に武井先生をはじめ関係者一同、実は困惑してしまったというのは内緒です(笑) PVや前作アニメの放送はご覧になりましたか? 未見の方はぜひどうぞ! 今回は、発表以来の動きを確認しつつ、現時点での最新情報を整理したいと思います。
まずは、6月17日(水)から発売された紙版コミックス。新旧のイラストを使用した豪華なWカバー仕様です。そして最新作『SHAMAN KING THE SUPER STAR』のコミックス最新刊も発売されました。
それだけではありません。6月19日(金)~7月5日(日)まで、アニメイト池袋テンポラリーストア2Fにて、「SHAMAN KING 複製原画展」が開催中です。展示されている50点の複製原画は「シャーマンキング展」の展示作品と被ることがないように選ばれたものですから、ぜひご覧いただければと思います(入場は無料です!)。
「シャーマンキング展」といえば、8月には青森での開催が決定しました。あと1か月と少し……楽しみです。その後の東京凱旋も詳細情報が待たれるところです。
さて、皆さんは講談社の社屋に掲出された広告のことはご存じでしょうか? 巨大な垂れ幕と、ショーウィンドウ、そして地下鉄から直結する入り口にそれぞれ飾られています。「さあ、ここでふんばりますか。」というキャッチコピー、主要キャラクターの集合イラストとともに、コミックスの発売とTVアニメ化決定のお知らせが書かれているのですが、この言葉がいろいろ解釈できて深いですね。
ファンの方ならご存じでしょうが、「ふんばる」という言葉は「シャーマンキング」(以下、マンキン)の作中にも特徴的に使われています。現在、コロナ禍によって激変する世界で頑張っている多くの人に向けた、本作なりのエールであることは間違いありません。
また、マンキンのモットーは「なんとかなる」ですが、それは何もしなくて良いという意味ではなく、どちらかといえば「人事を尽くして天命を待つ」に近い言葉です。つまり「なんとかなる」ためには「ふんばる」ことも必要だというわけですね。
当然、マンキンもコロナ禍の影響を受けているのですが、それに右往左往して自分を見失うことなく、なすべきを為すという決意表明でもあるでしょう。マンガやアニメ、ゲームというものは単なる娯楽作品と割り切れるものではなく、それに触れることで人生が変わる経験をしている人は大勢います。かつて、私が携わった作品がそうだったと言ってくださる方もいます。
この広告はたったひとことですが、心に大きく響く可能性を秘めていると思いますから、もしも機会があれば、どうか現物をご覧になってください。