【シャーマンキング30周年への情熱(18)】連載20周年企画の始まりと「新たな構想」
『シャーマンキング』連載20周年を記念したさまざまな企画に関わっている筆者・タシロハヤトさんと、作者・武井宏之先生の担当編集であるY田さんが語り合う対談の後編です。20周年企画に筆者が関わるようになった経緯とは? そして、2021年に向けて新たな構想の動きも……?
タシロハヤトさんが「20周年」に参加するまで

前回<連載17回>に引き続き、筆者・タシロハヤトさんと、講談社「少年マガジンエッジ」編集部で作者・武井宏之先生を担当するY田さんとの対談をお送りします。
今回は筆者が「20周年」企画に参加した経緯や、まだ明かされていない裏話、そして2021年に向けた新たな動きも……対談は武井先生の事務所にて、しかも先生が仕事をしながら聞いているという状況で行われました。
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編集部Y田さん(以下、Y田) 武井先生とタシロハヤトさんが上京後、ものづくりを語り合った日々のお話は、私が知らない時代のことで興味深かったです。タシロさんはその後、お勤めのゲーム会社を退職されて、当時のお仲間とゲーム会社を興されていますよね? そこには、武井先生と語り合ったものづくりのいろんなことが影響してますか?
タシロハヤト(以下、タシロ) それはあります。もともとゲーム制作の世界に入ったこと自体がそうですが、最初はサウンドとしてBGMやSEを作っていたんですね。ただ夢は「全部を作る」ことだったので、新しい会社はそれができるということでリスクを負う価値があると思いました。その冒険をしたことも影響といえますね。
Y田 実際に全部を作れたんですから、夢は実現しましたね。
タシロ はい、当然大変でしたが(笑)。当初は企画、そしてシナリオライター、スクリプトも演出も音響もやって、ディレクターもやって……と、できることもできないこともやり続けました。
小さな所帯だったのでメンバー全員そんな感じで。そのなかで武井くんと語り合って増えた引き出しは大いに役立ちましたし、あの頃の想い出は大切なモチベーションになりました。そのかわり、武井くんだけでなく自分も忙しくなってなかなか会えなくなってしまいましたが……。
とはいえ、そうした経験を踏まえて、いま一緒に仕事ができているので、それは必要な時間だったんだと思っています。
Y田 そうですよ。何しろ私も偶然、タシロさんたちが作られたゲームを遊んでいますしね(笑)。
タシロ あれは驚きました(笑)。
Y田 昔の話ですが、私はジャンル問わずのゲーマーで、ある時ドリームキャスト版の『君が望む永遠』っていうゲームをプレイして、それがきっかけでパソコンの美少女ゲームジャンルにハマった時期がありました。レアなグッズもいくつか持ってます(笑)
タシロ その節はありがとうございました!(笑)

Y田 タシロさんと初めてお会いしたのは「シャーマンキング展」の東京ソラマチ会場でしたが、事前に武井先生から「今後仕事を一緒にやっていきたい友人がいるから紹介したい」と聞いていたんです。ところが先生が「タシロハヤト」というペンネームを憶えていらっしゃらなくて、会ってみてびっくり、『君が望む永遠』を書いた人じゃないですか! と。
タシロ ありがたかったです。突然得体の知れないヤツがやって来て、これから組みますって……怪しすぎるじゃないですか。そこをいきなりクリアできたのは本当に幸いでした。武井くんの信用とY田さんの趣味のおかげで、さまざまな企画にすんなり関わらせていただいています(笑)。