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夢の英雄「タイガーマスク」描いた『プロレススーパースター列伝』、衝撃受けた真相の数々

1980年代当初に活躍していた実在プロレスラーを題材としたマンガ『プロレススーパースター列伝』のなかでも、1981年に鮮烈なデビューを果たし、少年たちをテレビに釘付けにした「初代タイガーマスク」編は、当時からその正体についてさまざまなエピソードを描いていました。しかし、夢中になった当時の読者には衝撃の事実が待ち受けていていました。

物語序盤から「正体」についてきわどい描写

『プロレススーパースター列伝』デジタルリマスター版(グループ・ゼロ)第9巻、「夢の英雄!タイガーマスク」編
『プロレススーパースター列伝』デジタルリマスター版(グループ・ゼロ)第9巻、「夢の英雄!タイガーマスク」編

 作品のなかに実在の人物を登場させ、リアリティあふれる物語を展開する……希代の劇画原作者、梶原一騎先生の作品では『巨人の星』や『四角いジャングル』、『空手バカ一代』などによく見られる手法ですが、ここに紹介する『プロレススーパースター列伝 夢の英雄! タイガーマスク編』(作:梶原一騎 画:原田久仁信)は、ある意味その究極系といえるかもしれません。

 1968年、講談社「ぼくら』で連載がスタートし、翌年からテレビアニメが日本テレビ系列で放映された『タイガーマスク』(作:梶原一騎 画:辻なおき)が歴史に名を残す名作であることに異論を挟む方は少ないと思いますが、そのタイガーマスクが現実のレスラーとして1981(昭和56)年に新日本プロレスに登場。アラフィフ世代なら、「金曜8時」というゴールデンタイムで毎週試合がNET系列(現・テレビ朝日)で放映され、一大センセーションを巻き起こしたことを覚えている方も多いと思います。

『プロレススーパースター列伝』(以下、列伝)の「タイガーマスク編』は、その当時の「初代タイガー」の活躍を描いたもの。当時はアニメで『タイガーマスク二世』の放映が開始され、現実の世界でも1981年4月23日の蔵前国技館に「謎のレスラー・タイガーマスク」が鮮烈なデビューを果たすのですが、そこはやはり『列伝』クオリティー。作中でほのめかす、というレベルではなく、アッサリと「初代タイガーマスク=佐山サトル」という正体を暗にバラしてしまっていたりします。

 もちろん、作中でハッキリと「タイガー=佐山」ということは書いていないのですが、「では、タイガーマスクの正体が、かりに佐山サトルとすれば……」という注釈の後に、「佐山サトル対マーク・コステロ戦」にストーリーが展開。当時、小学校6年だった筆者もオンタイムでタイガーマスクのデビュー戦をテレビで見たのですが、『列伝』の「タイガー編」が連載開始となった中学1年生の頃には、タイガーマスクの正体を「週刊少年サンデー」で連載されていた作品をとおして「なんとなく」知ってしまった次第です。

【画像】マンガから現実へ、そして再びマンガへ! 梶原一騎とタイガーマスク(5枚)

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